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帰り道
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熊澤side
試合会場から帰る道すがら、俺はほくほくとしていた。
淀三矢高校の勝利ももちろんのことながら、犬養の活躍にも大きく感動した。
相手のシュートをことごとく叩き落とし、鉄壁の如くそこに立ちはだかっていた。
そして、なにより、怪我が大事に至らなくてよかった。
血を流して倒れた時はどうなることかと…。
急ぎに急いで医務室のドアを開けた時、ケロッとした様子の犬養を見て、本当に安心した。
もしかするとバスケではよくある怪我なのかも知らんが、やはり大切な生徒が傷つくのは喜ばしくない。
それにしてもだ。
犬養は人気があるらしく、女生徒の黄色い歓声がよくあいつの名前を呼んでいた。
まぁ背も高く外見も良いし、人懐っこい性格だからだろう。
恋人も、いるのだろうな。
……苦手など、俺はどうかしていた。
あいつは普通の高校生と変わりないのに、やに警戒しきっていた。
真意の読めないことはもう、それはあいつの人としての性質だろう。
『カッコイイとこ見ててくださいよ』
そう言って快活に笑う犬養の顔が頭に浮かぶ。
ああ、かっこよかった。
お前が一番、かっこよかった。
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