アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
運命ってやつ
-
蛇ノ目side
熊澤洋平を愛してやまない。
憧れとか尊敬とかそっちの感情じゃない。正真正銘、恋愛感情としての愛だ。
俺とヨーヘイの初めての出会いは遡ること4年前。あれは従兄弟の体育祭を見に無理やり連れていかれた淀三矢高校での出来事だった。
あの日は風の強い日で、運動場の中央に掲げられた団旗がバタバタとうるさくはためいていた。
俺は退屈だった。知らない男の組体操、知らない女のダンス、短距離長距離障害物競走に借り物競争。まったくもって面白くなかった。
ぼーっとグラウンドを眺め、そろそろ帰ろうかと腰を上げた時、
「危ないっ!!!」
誰かがそう叫んだ。
一体誰が危ないのか。周りを見回すと皆が俺の方を凝視していた。
危ないのは俺か。不思議と冷静な頭でそう思った。
その瞬間、誰かが俺に覆いかぶさった。俺はそいつと一緒に倒れ込んだ。一瞬にして視界が暗くなる。
「う゛っ!」
そいつが呻き声を上げた。
見ると鉄パイプがそいつの肩を直撃していた。俺は何が起きたのか全くわからず、
「…重い」
と、それだけ言った。
するとそいつは顔を上げて俺を見た。
視線が交わる。
俺はそいつに惚れた。一目惚れだった。
「む、それはすまない…怪我はないか?」
「いや、大丈夫だ。それより名前を教えろ」
ドキドキと心拍数が上がる。
男に対する感情ではない。いやしかし、この気持ちの前に性別は些細なことだと俺は知っている。
「無事ならいい。熊澤洋平だ。ここで教師をしている」
何事もなさそうな俺に安心しつつ、唐突に名前を聞かれたことを訝しんだような顔をしていた。
「ヨーヘイ。そうか、いい名前だな」
笑みがこぼれた。
可愛い。俺のものにしたい。
手を伸ばしてさっき鉄パイプが直撃した肩に触れる。
「っ、」
ヨーヘイは痛みに顔を顰めたあと、俺を睨んだ。あぁ、その顔。好きだ。唆る。
倒れていた体を起こそうとしたから俺は腕を掴んで引き止めた。
「なんだ」
不審げに眉をひそめた顔も可愛い。
「ありがとう。守ってくれて嬉しいぜ」
愛情を込めてそう言うと、ヨーヘイは微かに笑った。
「よかった」
そして立ち上がって言った。
「念の為、保健室に行け。一階の端だ」
「ああ」
そのままヨーヘイは本部の方に歩いて行った。
あー、デケェ胸だった。太腿も柔らかかった。
そしてなにより……ケツがいい。
「帰ったら一発ヌくか」
保健室なんて行かずに、俺は家に帰った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 19