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告白
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犬養side
近寄ってみるとその子はとても可愛かった。
アーモンド型の綺麗な瞳に、鼻筋はすっと通り、薄く赤い唇。
「どうしたの?」
尋ねるとその子は少し頬を赤らめて、
「えっと…あの、附いてきてもらえますか?」
高くて控えめで綺麗な声。
俺はその子の後を附いて行くことにした。
体育館裏。
人の気配は無く、がらんとしていて、冷たい風が吹き抜けている。
「あの、彼女さんとか、好きな人とかいますか?」
思い切った様子で彼女は口を開いた。相変わらず顔は赤い。
こりゃ告白パターンだと直感した。
自慢じゃないけど今までも何度かこういうことがあった。
俺のプレーを見て一目惚れしたとかいう子もいたし、俺の名前すら知らないのに告白してきた子もいた。
そのうち、可愛い子とは付き合った。ま、すぐ別れたけど。
とにかく、いま俺の目の前にいる女の子は可愛い。今までの俺だったら絶対付き合ったはずだ。
「いや、いないよ」
……でも。
「そ、そうなんですね……」
何かがおかしい。
どうして今、俺は一瞬──
──熊澤先生を思い浮かべた?
「あの…もしよろしければ、付き合ってください!」
彼女は今や顔を真っ赤にしてそう言った。
俯きがちで目線はウロウロと落ち着きがない。
やっぱり可愛らしいことには変わりないし、今までの俺なら……。
頭では分かってるんだ。
俺はこの子と付き合っても構わない。別に誰も困らない。
むしろ、付き合うことが正常だともいえる。
それなのに、今日の俺はどこかおかしい。
"好きな人"と聞いた時、真っ先に思い浮かべたのが
熊澤先生だなんて。
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