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転校生
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犬養side
俺は一体どうしたいのだろう。
熊澤先生のことは教師として尊敬してる。それは確かだ。
でも、恋愛対象かと言われるとそれは違う。
だから今のこの気持ちは……。
チャイムがなり、ホームルームの時間になった。
ドアを開けて担任の先生が入ってくる。
「えぇと、突然だけど、転校生の紹介です」
入っておいで、と先生が廊下に呼びかけると、一人の男子生徒が教室に入ってきた。
その瞬間、何人かの生徒が息を呑む音が聞こえた。
両耳には大量のピアスが付けられており、右目の下にもピアスが2つ。髪は真っ黒で瞳は真っ赤。整った顔立ちをしている。
「なぁ、この時期に転校生って、変じゃね?」
松尾が俺の肩を叩く。
「そうだよな。なんか理由があんのかも」
「それより見た目ヤバイよな」
「うちの学校はピアスとか髪染めとか何でもOKだけど、さすがにやり過ぎだな」
2人で頷き合う。
「じゃあ自己紹介してもらいましょう」
先生が手の平をパチンと打ち合わせた。
転校生はのそのそと真ん中に出てくると、
「蛇ノ目イサカです。よろしく」
気だるそうにそう言った。
「イサカ?変わった名前だな」
呑気にそう言う松尾の隣で、俺は妙な胸騒ぎを感じていた。
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