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──なにが……何がいけなかったんだろう。
あの日以来、頭も心も空っぽのまま、汐は普段と変わらない日常を送っていた。
深見の影を追いかけるように、サロンへ行く回数を増やしたが、結局会えなかった。
ずるをして島長に聞いてみたものの、「うちは厳しいから個人情報に関わることは教えられない」と返ってきた。
深見にもう一度会って話をしたい。
彼のことを何も知らない汐は、連日サロンへと通い詰めていた。
「深見さんとは上手くいったのー?」
にやにやと上機嫌な島長は、無遠慮に聞いてくる。
「別にぃー? 上手くいってますけど?」
ブルーキュラソーで染まったライチカクテルをちびちびと口に含みながら、汐は唇を尖らせた。
いつものようにカウンターへ座り、相手を待つ。
今まで汐のほうから相手を探すことなどしなかったが、入り口から新しい人が出入りする度に、顔はいちいちそちらを向いてしまう。
「なーんだ。俺もちょっと狙ってたのに」
手練手管に男と上手く恋愛をこなしている、友人の呟きを聞いて、背筋が縮み上がる思いがした。
「瑞希が入る隙間もないくらい、ラブラブだから」
「へぇ。それは残念。深見さんお金持ちそうだから、俺のこと可愛がってくれるかなぁ、って思ってたんだけど。何か、そういう人じゃないよね。本気で相手探しに来てそうだったし」
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