アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
* Style2 *
-
待て待て。何でお前が誠吾さんのいろんな情報を聞き出してるんだ。
深見の声も心なしか弾んでいる。
すっかり不機嫌を顕にした汐は、ぷいっと拗ねてしまう。
ガラスのマドラーで、底に敷かれている角砂糖をざりざりと砕いた。
「今は多様性の時代ですからね。パートナーもカップルも同性同士なんて今どき珍しくないですし。ヘテロしか認めない! みたいな考えのほうが叩かれますよ」
「そうだね。全く以て瑞希君の言う通りだ」
「み……瑞希君!?」
教科書にも載っている、模範的な回答を聞き流していた汐だが、何気のない一言にぴんと反応した。
「え、えぇっ!? 何で名前で呼んでるの? ねえねえ、誠吾さん。僕は誠吾さんって呼んでるんだから、誠吾さんも僕のこと、名前で呼んでくれるよね?」
思い返してみれば、サロンで通っているナギや君としか呼ばれていない。
父親の姓が珍しく、テレビに出ていた時期もあったので、本名は隠していたが。
──まあ、下の名前だけだったらバレないだろうし。
サロン内での呼び名に特に縛りはない。
だったら、好きな人にはちゃんと名前で呼んで欲しい。
「分かったよ。汐君、でいい?」
「うん……うん! たくさん呼んでもいいよ」
これで一歩前進。汐の恋愛目録には「引いてみる」という選択肢はなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
46 / 263