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後部座席でポケットの中のスマートフォンを確認すると、ホーム画面を覆い尽くすほどに着信履歴がびっしりと入っていた。
ママ、ママ、ママ……時々、パパ。
画面をなぞって流し見していたら、ちょうど着信がくる。
うんざりしながら、汐は拒否ボタンを押して背もたれに深くかけた。
家には一階だけ明かりがついており、二人がまだ起きていることを知らせている。
鍵を開けようとしたが、最初からかかっていなかったようだ。
着信などなかったかのように、汐は「ただいまー」と平坦なトーンで言い、リビングを通り抜けようとする。
自分が悪いことにはしたくない。
「汐。何時だと思ってるの。……ちょっと、ここに座りなさい」
「……明日、学校なんだけど」
はあ、とわざとらしくため息をついてから、紗那の前へ座った。隣には創一もいる。
「遅くなるときは連絡して、って言ったわよね? 何のために携帯を持たせているの」
「別に、大学生なんだからいいじゃん。朝帰りしてるやつもいるよ?」
「今はうちの話をしているの。事故に遭ったんじゃないか、ってお父さんも心配していたのよ」
事故に遭うなんて何パーセントの話だよ。
スタジオ裏で落下事故に巻き込まれて以来、紗那は異常なほどに汐に対して過保護だ。
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