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「すご! 芸能人!? やばいねー」
「……あ、でも。六歳のときに引退って書いてある。えー、何で? もったいない!」
スマートフォンで勝手に人の名前を検索した挙句、ずかずかとこっちの事情に踏み入れられる。
素通りする奴らからも、探りを入れるような視線を受け、不快でめまいさえしてきた。
「学業優先するために引退したんだ。子役って大きくなったら使われなくなるし。勉強したほうが将来のためになるって。うちの親が」
もう何回か説明するために使い古した台詞を、久々に使った。
汐の言う通り、子役のピークは七歳頃までだ。
小さくて可愛らしい見た目で、企業やドラマなどに起用されるが、成長期に入るとともにそれが活かせなくなる。
そこからステップアップし、俳優や女優になれるのはほんの一握りだ。
汐も特段演技の才能に恵まれている訳でもなかったし、正直他の子役に比べたら劣っていると自負していた。
あどけない子供っぽさとちょっと不器用な演技が上手くマッチして、誤魔化せていただけだ。
「やっぱ俺飲み会パース。汐と行こうかなー」
「はっ? 何で」
群れから抜けて、島長は腕を絡ませてくる。
ご機嫌を取っているつもりなのだろうか。
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