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もっぱら反対されると思っていただけに、鷹揚な態度のままだから、汐は戸惑った。
「片想い中……というか、一回フラれた」
「汐くんみたいないい子を振るなんて、もったいない。今頃、後悔していると思うよ」
「そ、そうかなぁ……?」
──わりと正当な理由で振られたんだけど……。
一回り以上に年の差があるし、深見はプライベートが合わない、と言われた。
完全に脈ナシだし、諦めていた……今までの相手だったら。
深見に振り向いて欲しい。プレイだけの間ではなく、ずっと大事にされていたい。
恋の話で盛り上がる中、ノックの直後に紗那がするりと部屋に入ってきたものだから、汐は顔を真っ赤にして口を噤んでしまった。
……────。
三日間、汐は講義が終わると、創一が入院している病院に欠かさず足を伸ばした。
個室には担当の看護師がいて、声を荒らげている。
「天使さん! 間食は控えるよう注意したはずですが」
「すみません……つい。いつも家族が持ってきてくれるものだから」
「それは構いませんが、うちの食事も残さず食べてくださいね……。あら、汐君こんにちは。今日もお父さんのお見舞いに?」
「こ、こんにちは」
振り向かれる前に、汐は手に持っていた紙袋をさっと後ろに隠した。
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