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マモル
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放課後、たまたま揚羽の教室の前を通り掛かったら、ドレス姿の揚羽が女子に囲まれていた。
揚羽と関わりはじめた頃は、女子だけでなく男子からも距離を置かれていた揚羽だったが、今ではそんな様子もなく、とても親しげな感じた。
その光景に少しだけ胸がモヤッとした。
特に、揚羽を囲んでいる女子の1人が揚羽の前髪を触ろうとした時は、教室に乗り込んで行きそうになった。
揚羽がその手を躱したからなんとか抑えられた。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「マモ。ちょっと相談したいことあるんだけど、今時間ある?」
「んー、なぁに?」
空き教室について行くと、女は早々に俺の上に跨ってきてキスをしてきた。
「なぁ、相談じゃないの?」
「あーうん。彼氏にマモとのことがバレちゃった。アイツすぐ叩くし、もうウザいから別れたいの」
「ふぅん」
自分と俺のシャツのボタンを外しながらキスをする女は、その合間にツラツラと彼氏の文句を言う。
「だから、ねぇ、マモ。アイツと別れたいから一緒に来てくれない?」
「何で?」
「マモがアタシの新しい彼氏だって言ってアイツと別れるの。あんっ……でも、マモならホントに彼氏になってもいいよ」
カチャカチャと俺のベルトを外してスラックスの前を寛げようとする女の様子を見ながら、ホックが外れて露わになった胸の先端を指先で弾く。
そんな気は起きてないのに、相手はヤル気満々だ。
「何で?」
「えっ?何が?」
「何で俺が彼氏としてアンタの彼氏くんに会わなきゃいけないの?」
ボクサーパンツの縁に指を引っ掛けた女の手が止まる。
「だって殴られるかもしれないじゃん。そしたらマモ、アタシを守ってよ。あ、ねぇ、ゴムちょうだい」
「やだよ。あとゴム、持ってない」
女の肩を押して俺の上から下ろして立ち上がる。
シャツのボタンを留めて、スラックスも元に戻し、ベルトを締め直しながら出口に向かう。
「え、えっ、ちょっ…と、マモっ⁉︎」
「じゃあね、センパイ」
手を振って教室を出た。
「ちっ、守っててなんだよ。テメェの尻ぐらいテメェで拭えよ」
苛立ちが声に出てしまう。
大体、最初に誘って来たのは向こうだ。
勝手に脱いで、勝手に足を開いてきたから、その奥にある穴を埋めただけだ。
あの女は勝手だ。
勝手に浮気して、勝手に俺を利用しようとする。
あの女だけじゃない。
みんな
みんな、勝手だ。
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