アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
#19
-
「これ俺の抑制剤」
右手でハンドルを掴みながら左手で胸ポケットからおもむろに錠剤を見せてきた。
普段僕が飲んでいるものと見た目は一緒だが、決定的に違うことが「アルファ専用」と書かれている。
もちろん彼はアルファなのだからアルファ専用の物を持っていても何らおかしくはない。
「は、はぁ。」
返事に困り曖昧な相槌を打つと
「仕事上色々な人と会うし、時々オメガとすれ違うこともある。会社のトップが不祥事起こすわけにいかないから常に飲んでるんだけどお前相手には一切効かないんだよ」
と言われてしまった。
これは僕が悪いのか薬が悪いのか。
「えっと、僕のフェロモンが強すぎるからですか?」
色々考えて出した返答に「はぁ」と彼にため息をつかせてしまった。
「話の脈絡と間を考えて、出版社に就職したんだろ」
呆れたような怒ったような声色と口調に返す言葉が無くなってしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 30