アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
②
-
「もうウチ来いお前。真剣癒されんねん」
「したら前のリラックマ返すから!!あ、明日持って来るし、ちょ、なぁ、もっ、」
「暴れ過ぎ」
うがあぁ!!
って最終的には獣よろしく叫びまくってやっと解放。
喉がヒリヒリと焼けたみたいに熱かった。
サスケくんげっそり。
「せ、千里…、ほんま、やめぇや、いつか殴んで?」
ぜぇぜぇ言いながらキッと睨んでも、本人はへらっと笑うだけで。
性懲りもなく俺の髪に手ぇ伸ばしながら、目を細めて首を傾ける。
そのまなざしは、勘違いしてまいそうな程深かった。
「ラブラブやん」
「もうくっついてまえ」
「あ、あほか。人で遊ぶなゆうねん」
テツだけやのうて、ケイまでニヤニヤとする始末。
コイツら、ほんま遊びよる。
俺は死にそうやゆうのに。
一人だけ心臓ばくばくとか、めっちゃ虚しいんやけど。
「サスケ真っ赤」
「うっさい」
これは冗談や。
コイツら三人の暇潰し。
やで真に受けて脈ありなんかもとか絶対勘違いしたらあかん。
今みたいに心臓が跳ねるくらい真っ直ぐ見つめられても。
絶対勘違いだけはしたらあかんのや。
ほんの僅かな期待感が、全部を破滅させてしまうから。
やで、せやからもうこれ以上掘り起こさんといてや。
必死で埋めてるもん、ほじくり返そうとせんで。
宝物を隠す子供みたいに、俺の心はびくびくしとった。
「サスケ」
「なんじゃ」
「ジュース買い行こ」
「いらんし」
「おごるから、機嫌直してくれん?」
腕をやんわり握って、そっぽ向いてる俺に千里はそうゆうた。
返事をせんままずるずる引きずられて、教室を出る。
途中観念して腕を振り払い、軽く千里の頭をはたいて笑い合った。
こんなんがずっと続いたらえぇん。
トモダチゆう枠の中で、一番近い場所におれたら、俺はそんで満足なんや。
ちゃう。
満足しなあかんねん。
なぁ千里。
ほんまに。
ほんまにずっとトモダチとしてお前の横におれたらえぇな。
そんくらい望んでも、罪にはならへんやろ?
許されるやろ?
なぁ、千里。
お前の隣りに、ずっとおらせてや。
週末は両親が仕事でおらん俺の家でもっぱら酒盛り。
妹と二人暮らしみたいなもんで、好き勝手するには絶好の場所やった。
「あ、これが噂のリラックマゆうやつ?」
「ぶはっ、ほんまサスケみたい」
「うっさいわ。似てへんゆうねん」
「みてみぃこのクマの無気力な顔」
「お前人生ナメてるやろ。もっとマジメに生きさらせ」
「お前みたいなもんクマちゃう。なんや、喧嘩売ってんの、がおーとかゆうてみ」
「おぅ、ワタ抜いたれや」
「お前ら酔うてんの…」
ぬいぐるみ相手に絡んでるテツとケイを冷ややかに見つめる。
千里はビール片手にすでに半目。
寝そうやし。
「助けてさちゅけぇ~ただの布になっちゃうよ~」
「アホやろお前…」
「あ?今アホゆうた?」
「もーうっさい。絡むな」
すわった目ぇで俺を睨むテツから瞬間的に距離を取る。
コイツ酔うたらうざかいねん。
自然と千里の横へ行く形んなった俺に、今度はえろ大魔王の魔の手が待ち受ける。
「サスケ」
「あ?って、ちょ、」
「リラックマの次に俺専用の抱き枕にしたろ」
「もうえぇわそんなん、しかも何で上目線やねん」
足の間に引っ張り込まれ、髪にすりすりしよる千里をもう放置。
別にな、ガッコちゃうし、そんな人目あらへんし。
ほんまは嬉しいんよ。
こうやってひっつけるんが、千里の匂い感じるんが、めちゃ嬉しいねん。
俺からも抱き付きたくなるくらい、うずうずする。
「きゃー僕のサスケが浮気してる~」
「テツ、裏声キモイ」
「なんじゃとゴルァ?」
「片手にそんなクマ持って凄まれても怖ないよ」
「ぶはっ、アホ丸出しや!迷子の子猫ちゃんでちゅか~?」
金髪坊主とリラックマて合わんね。
異様や。
「ケイにゆわれたない。お前水飲んだら穴からだだ漏れゆうやん。いつか脱水症状起こすで」
「あ?お前もんなアクセつけよって、筋トレでもしてんのか。代わりに鉄アレイでも首から下げとけや」
また始まった。
仲えぇんか悪いんか知らんけど、一日一回は胸倉掴み合う。
慣れてるからこれも放置。
気付いたら全然違う話で馬鹿笑いしてんねんから。
.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 43