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ぎゃんぎゃん吠え合う二人を尻目に、千里は俺の肩に顔を乗せたまんま。
寝てんのかって動こうとするとぎゅうされて。
これ、勘違いしてもおかしくないですよね。
や、しませんけど。
「千里?寝るんやったら布団いきや」
「一緒寝て」
「あほか」
「サスケ風呂入ったん?」
「は?、…あぁ、お前ら来る前に入った」
「えぇ匂いするし」
「ちょっ、やめ、千里っ!!」
思わず声を張り上げた。
その声でテツとケイもおとなしなって、んで、俺と千里を見てまたバカ笑い。
首筋に感じたあったかいもん。
やわこうて、ちょっと湿ってる感触に俺はパニくった。
「お前らほんまマジで?できてんの?」
「えぇやんそのままヤっとけ。見とったる」
「ふざけんなっ!!」
段々重なる肩。
吹き出しそうになる身体中の血液。
顔が赤いとかゆうレベルやのうて、俺は卒倒寸前やった。
「てか千里寝てへん?」
「女とまちごうたんちゃうの。タチ悪」
「いやいやちゃうて。千里はマジやね」
「マジてなん?ゲイとかゆうやつ?」
「バイやな」
勝手な事ゆう二人に、そっから抜け出そうと俺は必死でもがいた。
そのうち千里は壁にもたれて寝てもうて。
「どうすんサスケ。千里はお前が好きみたいよ」
混乱しとった俺はついゆうてもうた。
ゆうてから、自分の言葉に自分で傷付いた。
「お、とこやん、キモイし、あかんて…、俺…」
俺、俺は―
こんなんあんまりや。
何で?
それやったら何で素直に白状さしてくれんの?
何でこんなよいよいの空気でそんな事するん。
言われるん。
―千里を拒否らなあかんの…
それから俺はトイレに逃げ込んだ。
悔しくて泣いて。
ゆうてしもた自分の言葉に腹立てて鼻水すすって。
ちゃかしたテツとケイを恨んで。
ほんで、千里に謝りまくった。
そのまま寝てしもたんか、気付いて部屋に戻ったらもぬけの殻。
散乱した空き缶や灰皿やゴミに紛れて、千里にもらったリラックマだけが俺を迎えてくれた。
もしほんまに、万が一、千里も俺を好きやったら?
そんな事あるわけないけど、でももし―
首筋に手をあてる。
まだ浮いたまんまの、千里の唇の名残。
思い出してまた顔が熱くなった。
何で帰ってまうん。
何であんな事したん。
何で聞かせてくれへんの。
何でほったらかしにするん。
千里のあほ。
テツもケイも嫌いじゃ。
俺がどんな思いしてるか知らんやろ。
あほ。
アホ。
皆キライじゃ…。
(3)おわり
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