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やで二人から責められる事はなくて、けど理解し難いゆう顔は変わらんかった。
千里が分からん。
何考えてんのか予測もできん。
日曜の俺への電話で何を言おうとしてたんか、ほんまに出たら良かったって、後悔ばっかが胸ん中に降り積もってく。
でももしその電話がなかったら、多分俺…。
今みたいに信じたいゆう気持ちなかったかも知れんわ。
ただ傷付いて、簡単に諦めようしてたかも知れん。
そう思たら怖なった。
「とりあえずな、まぁ今はほっとこうや」
「俺らは変に近付こう思わんけど、サスケにはちょい厳しいやろな」
「てかお前をぼろぼろにしようもんなら、俺黙ってへんからな」
「コイツ騒ぎに紛れてまじ殴りよったからな。焦るゆうねん」
テツは昔から義理深い人間やった。
情に熱い男でもある。
中学ん時からこんな感じで、大事や思う人間に対してはほんま自分の事みたいに悩んだり怒ったりすんねんな。
やで多分。
今お前は俺と同じように苦しんでくれてんねやろ?
俺の事、ほんまに心配してくれてんねやろ?
やで殴ったん。
仲間に害及ぼしたて感じたから。
たとえそれが昔の仲間であっても、テツには堪え難い事やったんやろな。
俺が傷付いたらテツも傷付く。
そう考えたら、安易な事はできんと思た。
「えぇよ。俺も何もせんとく。自分からはもう近付こうとか思うんやめるから」
「約束やで」
「うん…」
忘れろて言いたいんやろ。
ほんまはそうして欲しいんやろ?
けどそれはできんの。
納得するまで、それだけはしよう思てもできんのよ。
ごめんなテツ。
ほんで、ありがとう。
「なんやアイツの話しんなると辛気臭なるわ」
「もうやめじゃ。今日からその話題は禁止な」
「帰りにどっかいこや。前みたいに馬鹿騒ぎしたい」
そのうち保険医のまっつんが戻って来て、大丈夫やゆうたら適当に戻れって促された。
せっかく買って来てくれたからパンを完食して、しばらくダベってから教室へ戻った。
右手にあったそれはポケットん中へ。
何の意味があるか分かってたらしいテツの視線をそこに感じながら、俺はまた気付かんフリして笑顔を作った。
「まだあんのコレ。もう捨ててまえ」
「お、人生ナメたクマやん。ちょっとは改心したんか」
千里の事があってからご無沙汰やった週末の酒盛り。
タバコを咥えたまんまのテツがそう言いながらリラックマの首を絞めた。
やめてや。
そいつに罪はない。
奪って布団の中へ非難させる。
「それ千里からもらってんやろ?」
「ん」
「あかん、捨てろや」
「いや。物に罪ないし、捨てる理由ないやん」
「あるわアホ」
酔うたテツは嫌い。
ただでさえはっきりものゆうヤツなんに、こんな時はトゲがプラスされんねんから。
今はお前の本音聞きたないん、勘弁しろや。
「あー、タバコ切れた。テツ買って来て」
「あ?何で俺がわれのパシりんならなあかんのじゃ。死にさらせ」
「んじゃサスケ」
「はぁ?イヤじゃ」
「お、酒も切れたやんけ。こらあかんわ、ジャンケンで買い出し君決めようや」
「そん中にわれのタバコはないで」
「なんでやねん、ついでやろが」
最初はグーから始まったパシリ決定戦。
負けたんは俺。
しゃあないなって家を出てチャリにまたがった。
もちろん金をしっかり請求してから。
携帯見たら夜の十時。
まだまだ先は長いなぁ思て、買う酒の量を計算する。
あとつまみとケイのタバコ。
あー、テツもゆうてたな。
ペダル漕ぎながら、飲酒で掴まったらおもろいなぁとかどうでもえぇ事考える。
したらいつの間にかコンビニ着いて、ガラ悪そうな兄ちゃんらの前にチャリを止めた。
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