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③
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「ゆうて、千里、ちゃんとゆうて…?」
力が抜ける。
崩れ落ちそうな腰をなんとか立たせて、僅かに離れた口から必死で言葉を紡いだ。
それが再び重なる寸前に聞こえた小さい声。
「好きや」
そっからはもうお互い何も言わんかった。
ただ夢中でキスを交わす。
舌が痺れて、けど必死で絡めて。
ゆうてもやり方なんか知らんから、入り込んで来る千里のそれにいいようにされてただけやけど。
「千里…っ、ちょ、待って…、」
「なん?」
「く、くるし…、あか、んっ…、」
酸欠寸前。
鼻で取り込む酸素だけじゃもう足らん。
それでも口を塞いでくる千里の背中を手で叩く。
あかんくて今度は手で押し返してみる。
びくともせん。
「はっ…、も、はな、離せやっ、ん…っ」
こんなんちゃうやん。
もっと普通にちゅうしたらえぇん。
何で酸欠んなりそうなってんの。
「サスケからしてきたんやん、とまるわけないし」
「ごめんて、もうせんっ、せんから!」
「あかんよ、もっと欲しい」
「わ、わかったから、休憩!ちょっとやす…っ」
「好きや、サスケ」
そんなんずっこい。
反則やゆうねん。
そんな甘い声でゆわれたら、そんな真剣な顔されたら、誰でも落ちる。
あほ。
どうすんねん。
俺、俺はもう──
「しょ、初心者やねんから…、いきなりそんなハードなんやめてや」
「ん、わかった」
笑う千里に胸が軋んだ。
愛しいゆう想いを、初めて感じた。
くっついては離れて、離れてはまたくっついてを繰り返す。
啄むようなそのキスに、段々照れ臭さが顔を出した。
「も、えぇんちゃう、かな…」
「足りん、全然」
「あ、そ…」
「イヤならやめるけど」
「別にイヤちゃうし」
「なん、照れてんの」
「う、うっさいわ…。慣れてる千里と一緒にせんで」
「ヤキモチ?」
「ちゃうし」
「女とは腐る程したけどな、男はサスケが初めてや」
「誰も聞いとらん」
真っ赤な顔を隠すように広い胸元に埋める。
もうちゅうはえぇ。
苦しい。
何より恥ずかしい。
髪を撫でるおっきい手に目を閉じて、俺はもっかいだけ呟いた。
好きや、千里。
俺がおるから、もう病んだりせんで。
病んでも、そん時は俺を頼って。
何でもするから。
お前の為やったらほんま何でもするから。
もう離れてこうとせんで。
頼むわ。
なぁ、千里。
「ちゅうでこんなんやったら、アレん時どうするん」
「アレてなに?」
「ん、エッチ」
「なっ…、あほちゃうん!?そんなんせん!!」
「うそっ、マジで?」
「せん、絶対せんっ!」
あほか。
何言いよるんね。
男同士なんに、できるわけないやろ。
どうやってすんねん。
「サスケがえぇゆうまで我慢するつもりやけど、ムリやったらごめんしてや」
「やでせんゆうとるやろ」
しつこい。
そんなんは女とせぇや。
ってされたらイヤやけど。
…………するん?
てかできんの?
「まぁしばらくはちゅうで我慢するわ」
「そうして」
繋がった気持ち。
受けた想い。
幸せ過ぎて、俺は何もわからんかった。
千里がゆう通り、俺は何一つとして、理解してなかってん。
(8)おわり
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