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触るだけ?ほんまに…、それだけ?
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布越しでも熱過ぎるくらいの体温を背中にずっと感じてた。
人が来んのをいい事に、俺らはついに学校が終わる時間までその教室におって。
ひっきりなしに震えてた携帯も、最後には千里が電源落としてもうてた。
くっつき虫みたいに離れへんかってん。
座り込んで背中から俺を抱き締めて、言葉が途切れたら髪に顔を寄せて来て。
指を絡めて、何回も首筋にちゅうされた。
正直恥ずかしくて死ぬかと思た。
向き合ってなくてよかった思うくらい、そん時の俺の顔はヤバイ事んなってた。
「テツにどやされる」
「俺も一緒に詫び入れたるから」
「そういや殴られてんやんな?大丈夫やったん」
「あんなん殴られたうちに入らんよ。痕も残らんかったし」
「ならえぇんやけど。ごめんしてや」
「ダチ想いのえぇ男やん。大事にしぃや?」
「何ゆうてん、千里も仲間やん。そんな台詞おかしいわ」
「ん、せやな」
薄暗くなった校内。
繋がれた手はスキをつけん程しっかり絡まってる。
離さへんゆうみたいに、その力が緩む事はなかった。
あったかい。
千里の体温。
ずっと望んでた距離が、やっと手に入った。
やっとお前を、近くに感じれてる。
まだまだ俺なんかじゃ解決できん事はいっぱいあんねやろうけど、せめてその糸口になれたらえぇて、そう思うんよ。
ゆっくりゆっくり歩きながら、自分らのクラスにつくまでに二回軽くちゅうをされる。
誰か見てたらって焦る俺を無視して、千里は最後にちょっとだけ舌を差し入れて来た。
「も、もう今日だけやで…、明日からガッコでこんなん禁止」
「わかってる」
「絶対あかんよ、したらほんま怒るから」
「はいはい」
真っ赤んなって俯く俺の頭上から、ふっとした千里の息。
どうせまた可愛いなとかなんとか思てんねん。
ほんまムカつく。
クラスの手前んなって足が止まった。
誰もおらんはずの時間帯やのに、そこだけまだ電気がついてたから。
考えるまでもなく、俺はそこにおる人物を推測できた。
「やっと帰ってきよった」
「なん、千里もおるやん」
戸をくぐるまでにテツとケイと交互に目が合う。
座ってる場所は俺の席。
その険しい顔に思わず千里の後ろに隠れてしもた。
「堪忍したって。俺がムリヤリ付き合わせてん」
「ご、ごめんな…?携帯出れる状況やなかってんやんか…」
「こんな時間まで、しかも学校でヤリまくってたん」
「なっ、あほか!そんなんしてへんっ!!話ししとっただけじゃ!」
何言いよるん!?
険しかった顔が段々緩んでく。
ほんで、やっぱりテツもケイもえぇ奴やった。
何も聞かんと、ただ千里に、
「今度サスケ泣かしたら、次はあんなんじゃ済まんで?」
ゆうて、笑てくれた。
ほんまにえぇダチや。
一生大事にしたい。
千里と同じくらい、ずっとずっと、大切にしていきたい奴等。
そう思た。
「あー、明日からまたお前らがイチャこいてるん見なあかんねやな」
「ちゅうまでやったら許したってえぇよ」
「そんなんするかあほ」
「エッチさせんとかいいよるん。どう思う?」
「せっ、千里!!そんなんコイツらにゆう事ちゃうやろっ!?」
何考えてん…?
なんや先が不安やわ…。
全部無断で報告とかされてまいそう。
しっかりゆうとかんとあかんな。
久々の感覚。
四人の空間。
やっと戻ってきてくれたやわかい安心する時間。
真っ暗になった外を四人でぶらぶら帰りながら、なんもなかったみたいに普通に笑てる自分らがほんま嬉しかった。
途中でテツとケイと別れて、俺と千里は再び二人に。
慣れやんこの緊張感、ドキドキしてまう自分がイヤやった。
「サスケんち行きたい」
「何で?」
「まだ離れたないん。あかん?」
「へ、変な事せんて約束するんやったらえぇよ…」
「ぶっ、女がゆう台詞やんな」
「うっさいわ…、千里が悪いんやん」
ぶっちゃけあの教室で何回も押し倒されそうなってんな。
ちゅうしたらとまらんらしくて、シャツの裾から手ぇ入って来た時は真剣殴ってもうたから俺。
やでな、自然に出て当たり前の台詞やねん。
しっかり約束させてから、途中いつものコンビニへ寄って夕飯を買い込む。
親は二人共県外行ってもうてるから、全部自分らでせなあかんねん。
洗濯から家事から何でも全部。
お金は毎月振り込み。
足らんようなったらメールで催促。
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