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どっこも行かんで、一人で行かんで…っ
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千里が戻ってきてから一週間経った。
それまで俺はずっと幸せラブラブモードやって、すっかり流してもうてたんな。
あん時もかなりテンパってたからすぐに忘れてもうてて。
千里ゆうてたん。
刺したって。
人殺しかけたって。
俺が拒否ったあの日、千里は病んでもうた。
ヤケとか可愛いもんやないゆうてたけど、今考えたら犯罪やん。
可愛いわけあらへん。
揉み消してくれた先輩はその場におってんやろか。
誰も止めるヤツはおらんかったんやろか。
怪我した相手は今はもう平気なんやろか。
考え出してからずっと頭ん中はこんな調子。
本人にも聞くに聞けやんくて、だから多分最近の俺は千里から見たら元気ない感じなわけで。
「お前らくっつきすぎやて。見てて暑苦しい」
「まだ季節的にも許せる気温やからえぇけどな、真夏やったら多分どついてんで」
毎日毎日所構わず千里は俺をだっこ状態。
逃げてもすぐつかまるかスネるかで、やっぱり放置するしかないんな。
クラスの女子は遠巻きにきゃあきゃあゆうてるし、男子はテツを気にしてか見て見ぬフリや。
千里殴った場面見たヤツおんねやろな。
下手に後ろ指さしたら何されるかわからん、そんなオーラ全開で不自然なくらい誰もこっちを見ようとせんかった。
「愛に飢えてるお前らにちょっとでもおすそわけやん」
「いらんし」
「んーサスケ可愛い。コイツ俺のんやで。触んなよ」
「俺らにゆうてもしゃーないやんけ」
「あ、せやんな」
「…千里?」
待て。
ちょうマテ。
何やらかす気や、って-
「サスっ-」
「お前何叫ぼうとしてんの!?あほちゃうん!!」
肺に息を溜めるその口をとっさに手で覆い隠した。
あほや。
絶対あほやコイツ。
「サスケは俺のんやってゆおうとしてんやん」
「やめぇやそんなあほみたいな事。誰も俺なんか相手にせんて」
千里くらいやろ。
てか千里だけでえぇ。
「お前自分がどんだけ可愛い顔してるか知らんの?鏡見ろて」
「もうえぇから…、黙っといて…」
疲れるしほんま。
毎日こんなんや。
いつかちゅうされそうでビクビクしてんねんけど。
テツとケイは既に俺らから離れて違う事でバカ笑い。
たまにわざとらしくチラッと冷ややかに視線を送ってきた。
やめてや、俺はそっちの輪へ行きたいん。
「サスケ」
「んー?」
「ヤらして」
「…………」
ゴッ…、と音がしたんは千里の顎下から。
アッパーくらわして痛がるその腕から脱出した。
マジでくたばれ。
こんな場所で何わけわからん事ゆうてんねん。
「あほ!!」
「冗談やんけ、…や、本音ではあるけども?」
「ちょっ、もう離せっ」
「あん時の可愛いサスケ思い出すだけでヤバイねん。なぁ、はよ抱かして?」
「…っ、」
簡単にまた捕まって、耳元で低く囁かれる。
真っ赤になったんはゆうまでもなく、言われたその内容に悔しいかな何も言い返せんかった。
後ろ向きで良かった。
千里の顔よう見ん。
「サスケ?」
「……まだ、ムリ…っ」
「何で」
「…そんなん、どうやってするん……」
女やないのに。
どこに…?
考えるだけでなんや痛なんねんも。
怖いゆうねん。
「教えたらえぇ?」
「教えたらって、…聞くだけな」
「軽く実践交えて」
「いや」
「最後まではせんから。慣らすだけ」
慣らす…?
何を慣らすん。
「や、やっぱりイヤや」
「ほな今日泊まり行く」
「なんでやねん」
「サスケ最近元気ないし」
やっぱりそう映ってたか。
まぁ深い話するんにもウチのがえぇな。
絶対何もせんて高確率で破られる事を承知で約束だけさせる。
帰りにまた夕飯だけ買い込んで、その日俺は千里と二人で家へ帰った。
「ほんま泊まってくん?」
「や、帰る。襲わん自信ないから」
「それは是非帰ってください」
後ろから抱き締められながら飯を食べる。
こんな時ぐらい離せゆうねん。
ゆうても聞かんからうざかいけど放置。
食べ終わる頃、千里の携帯が鳴り出した。
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