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キスされかけて、思いっ切り拒んだ。
「ちゃんとゆうて、そんなんで機嫌直るとか思てんの…?」
「サスケ…」
「悪い事しよるん?あの先輩に何か言われとるん?千里っ!」
あかん。
泣きそや。
心配やねんお前が。
むちゃ大事なヤツやから、ほんまに怖いねん。
「何も悪さなんかしてへんよ」
「昨日は…?何でっ?」
「泣かんで、頼むから」
目元にやわこいもんが押し当たる。
反射的に瞼閉じたら、溜ってた涙がぽたっと落ちた。
「昨日はな、ゆう通り先輩の呼び出し」
「なんやしよるんか…」
「何もしてへん。話ししとっただけ」
嘘や。
したら何で連絡くれんかったん。
昨日何で何も答えんかったん。
言えんの?
俺にも言えん事?
「どっこも行かんで、一人で行かんで…っ」
「どこも行かへんよ。サスケがおるんに、行くわけないやん」
千里は約束破るん。
すぐ破るん。
やで安心はできんの。
言葉だけじゃあかんの。
「好きや、サスケ。めちゃ好き」
今日は、しばらくはこれで騙されたるわ。
けどいつかちゃんと見してや?
俺かてどっこも行かへんよ。
千里がどんなけの事したかて、俺は、俺だけはずっと側におるから。
お前とちごて、俺は約束破らんよ…。
甘ったるいキスの中、おっきい背中にしがみつく。
したら更に抱き込まれて、肺が押し潰されそうになった。
苦しい。
千里が好きや。
ほんまに好きやねん。
お前が全部見してくれるまで、俺もおあずけにするよってな。
これであいこや。
思いながら、伸びるその手を力一杯つねった。
(10)おわり
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