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「俺窓側」
「俺も」
左右に分かれたテツとケイ。
その間に挟まれるようにして千里と俺。
通路から丸見え、しかもバスガイドとしっかり対面や。
落ち着かん。
「サスケにいたずらできんやん」
「せんでえぇし」
やっぱココで正解やったかも。
静かにバスが揺れ始めて、同時にやたらハイテンションのバスガイドの声が響き始めた。
やっぱガイドさんてべっぴんさん多いねんな。
目の前におる人もかなりイケてる容姿してはるわ。
なんや千里ばっか見てるんが気にくわんけど。
やっぱモテんねんなコイツ。
両サイドの二人はもう爆睡モード。
今から二時間はバスん中や思うとうんざりする。
けどせっかくの千里とのお出掛け。
やで寝たら勿体ないから睡魔避けにとアメを口ん中へ放り込んだ。
「俺も欲しい」
「ん」
「ちゃう。サスケが舐めてるん」
「………味?」
「ちゃう。アメ」
それはまさか食べかけのが欲しいゆうあれやろか。
はは。
まさかのまさかのまさかな。
「ちょっ、やめんかあほたれ!!」
「った…」
「何考えてんの?あほ?お前はあほ?」
まさかのまさかのまさかのまさかやった。
いきなりちゅうしようとしてんこのエロ大魔人。
ほれみさらせ。
ガイドさん目が点やん。
一生懸命しゃべってはったんに、むちゃ恥ずかしいし。
思いっ切りはたいた頭。
まだ足りんかったけど今日はごめんしたるわ。
サスケくんやさし。
気付いたら女子がヒソヒソ話し。
こっちをチラ見しながらのそれはあんまえぇ気分ではなかった。
アイツらデキてんの?マジで?
とかそんなんや。
千里は全然気にしてへんみたいやけど、やっぱり俺は気にしてまう。
普通やないん。
当たり前としてある決められた枠から俺らは出てもうてるん。
一回脱線したら戻るんは難しい。
なかなか受け入れてもらえん。
寂しかった。
誰が決めた枠かしらん。
誰がやなくて多分皆が作ったもんやねんな。
気付いたら中へ入れられてて、俺ちゃうわって外出たら異常者扱い。
何で?
俺には線なんか見えんよ。
好きなとこ行きたいん。
したら出んといかんから出ただけなんに。
おかしいゆうて指さされる。
俺は何も変やない。
ただ千里が好きなだけやねん。
「サスケ?怒ったん?」
「別に」
優しい笑て顔覗き込んでくる千里にぎゅって胸が痛なった。
お前が好きやゆうんはあかん事なんやろか。
こんなに好きでも、許されんのやろか。
誰に裁かれるん?
ここにおる全員?
こんな赤の他人に俺らは裁かれなあかんの?
お前らはなんぼのもんやねん。
勝手な被害妄想。
窓の外に広がる青とえらい不釣り合いや。
あほらしなってやめた。
「中尾君」
新しいアメを千里に手渡してたら、右斜め前におる女子に小さく呼ばれる。
あんま話した事ない顔に目で返事したら、
「写真撮らして?」
ゆうて、デジカメをちらっと見せられた。
写真?
え、俺のん?
戸惑ってたら横から千里。
「悪用禁止やで?」
「あ、神崎君も一緒がえぇな」
何でか二人仲ようツーショット。
意味わからんままでも笑顔作れる俺ってどうなんやろか。
「二人仲えぇよね」
「あかん?」
「全然!もっとラブラブなん撮りたいくらい」
「俺はかまへんけどサスケがな」
「あんさ、ラブラブて、…なん?」
「ちごたらごめん。付き合ってんのかなぁって」
やっぱバレてはる。
そらあんだけくっついてたらな。
口ごもる俺をさしおいて千里が即答。
「まだちゅう止まりやけどな」
また思いっきり頭どついたった。
何赤裸々に告白してんねんコイツ。
そんなんバラす事ちゃうやん。
もういやや俺…。
「やっぱりそうなん?えぇよね、凄いお似合い」
「当たり前やん」
「ウチら応援してるから。もっとオープンにイチャついたって」
それだけゆうて相手は席へ引っ込んだ。
ウチら?
ら、て事は他にもおるん?
他の女子にも俺らの事バレてるて?
うそん。
むちゃ恥ずかしいし。
けど嬉しかった。
ヒソヒソは中傷やなかってんな。
テツとケイみたく、普通に受け入れてくれとるんやな。
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