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俺んとこ、はよ来て
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目的の遊園地へやっと着いたんは休憩から約一時間後。
入り口で先生にフリーパスだけ渡されて、各々クラスから順に中へ入ってく。
ゲートをくぐって中へ入った瞬間あんな眠そうやったテツとケイの眼がガッと見開かれて。
「負けたら一週間奴隷やで」
「おうよ」
「手始めにジェットコースターでしりとりいこか」
「三秒以上間あけた方が負けな」
「先に三勝した方がご主人様」
「絶対お前に俺ん事そう呼ばせたるからな」
「ゆうとけ。勝つんはこの俺様じゃ」
首やら肩やら手首やらを鳴らしながら二人がどんどん遠ざかってく。
会話の内容聞いた千里が、隣で小さくぶって吹き出した。
どっちかがどっちかをご主人様とか呼ぶん。
あかん。
多分俺笑い死にする。
「アイツらほんま幼稚園児やん?」
「な。けど楽しそうやからえぇんちゃう」
「どっちが勝っても見物やな」
「決着ついたらの話しやけど」
完全に視界から消えた二つの影。
千里がどうするって視線向けて来て、とりあえずまぁ何か乗ろやって俺らも歩き出した。
けどすぐにその足も止まる。
俺の目を奪ったんは土産物置いてるごちゃついた店内。
そこにリラックマを発見して思わず入ってもうた。
「好きなん?」
「好きっちゅうか、つい触りたなるん」
「あー分かるよ。可愛いもん見るとな、つい手が伸びるん。人間の本能やわそれ」
「意味わからん」
勝手にそんなもん本能にすんなて。
お前はどうせ俺ん事ゆうてんねやろ。
あほ。
「買うたろ?」
「いらん。ウチにあるもん」
「ようけあっても好きやったらえぇやん」
「いらん」
アレは一個でえぇ。
二個もよう抱いて寝やん。
ゆうたら絶対抱きつかれるか又ちゅうされそうんなるかやでゆわんけど。
夜抱いて寝てるとか、その前に恥ずかしてムリや。
「買わんのやったら行こや。お化け屋敷とか」
「何でのっけからそんなもん行くん…」
「したらサスケと手ぇつなげるやん?」
「つながんし」
「怖がるサスケをこうな、俺がぎゅって、なんやったら抱っこし―」
「行くで」
「……最近冷たない?」
千里があほな事ばっかゆうてるからや。
俺は外では絶対くっつかん。
イチャつかん。
そんなん人前でする事ちゃうしな。
わからんかな千里には…。
エロ大魔王やもんな。
ずんずん歩く俺の後ろからしょげた千里がのろのろ着いて来る。
あんな男前なんに、情けない顔すんなて。
しゃあないからちょっと立ち止まって待ったった。
「はよ行くで」
「サスケが冷たい…」
なんやねんコイツは。
ベタベタなんか出来るわけないやん。
どうせぇゆうねん。
三メートルくらい後におる千里をじっと見つめる。
ほんまは俺かてひっつきたいんよ。
いっぱいぎゅうとかちゅうとかされたいん。
嫌なわけあらへん。
千里がむちゃ好きなんに、嫌なわけがない。
「千里…」
「ん?」
せやってな、ちょっと笑う顔が好き。
目ぇ細めて俺を見るその顔がむちゃ好き。
痛なる。
真ん中がきゅうってしよる。
「来て、俺んとこ、はよ来て…」
「サスケ?」
「寂しい、千里が隣におらな寂しいねん…」
あほや。
何で泣きそうなん俺。
千里もびっくりしてるやん。
「俺の理性も限界なんやけど。今すぐここで抱いたろか」
「…あほ」
うつ向いて、制服の袖で痛いくらい目ぇ擦った。
次に顔あげたら千里が目の前まで来てて、ほんで、思いっきり頭ぐしゃぐしゃってされた。
「外でよかったな。部屋やったら間違いなく犯してた」
「怖い事ゆうな…」
「したらせやって煽るんやめ。俺理性飛んだら真剣ヤってまうよ」
俺を見るその深い眼差しに思わず顔を背けた。
別にかまへん。
部屋やったらえぇ。
ムリヤリとか犯すとかゆうてるけど、俺がそこまで抵抗するとか思てんの?
千里やったら何されてもえぇん。
むしろされたい。
無言で向き合う俺らを、学校の奴らが物珍し気に見て過ぎる。
そのうち千里が俺の腕を掴んで歩き出した。
「何乗る?」
「観覧車…」
「普通はシメに乗るんちゃうの」
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