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俺は千里に対して何の力も持ってへん
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千里の処分。
二週間の自宅謹慎。
相手にも問題があったって、無期が二週間まで緩くなったらしい。
ウチの学校はガラ悪いもんが多いだけに、そういった処分もかなり厳しい。
ほんまは退学んなってもおかしなかったんちゃうかって、謹慎ゆう言葉に三人で安堵した。
謹慎初日、こっそり行った千里のアパートで、テツは何度も頭下げてた。
俺のせいやって。
巻き込んでしもたって。
何回も何回も床にデコ押し当てて。
処分が決まる前に職員室でも騒動起こして、千里は悪ないから処分は俺が受けるって。
お願いしますって、またそこでも床にへばりついてた。
けど殴ったんは誰でもない千里本人。
理由とか原因なんかそこでは何の意味も持たん。
暴力に言い訳は一切通用せんの。
当然テツの申し入れは却下された。
「ほんまダレるわ、何で千里だけやねん…」
「ゆうても後の祭やろが、めそめそすんなハゲ」
「もういやや俺、千里にどやって詫び入れたらえぇん…」
珍しくしょげてるテツの脇で、態度こそ普通やけど、ケイのその顔はアタフタするみたいに戸惑ってた。
いつもみたく辛口で物ゆうてもテツはまるで無視。
どうしたらえぇんとか、何でやとか、そんな事ばっか呟いて。
最後にケイは、金色の頭を平で思いっきりはたいた。
「…なんじゃ、痛いやろが」
「決まってしもたもんはしゃーないやんけ。ウジウジ気持ち悪いからやめぇあほが」
「お前には分からん、どんだけ俺が悔やんでるか。俺のせぇやねんぞ?俺がくだらん喧嘩買うたから千里が謹慎なってんやろが」
「あほか、殴ったんは千里やねん。自分の意思でやった事やねんて」
やでお前がそこまで責任感じる事ない、ゆうて、ケイは今度はその頭をくしゃって撫でた。
くしゃっ、てゆうか、じょりじょりって感じやな。
「……俺毎日千里んとこ行くわ」
「付き合うし」
「そんなん俺も行く」
それから二週間、謹慎が解けるまで俺らは毎日欠かさず千里のアパートに通った。
「今思たんやけど、毎週末やってる酒盛、ここが一番ベストなんちゃうん」
「あ、せやんな、千里一人暮らしやし」
こっそり忍び込むようにして行った千里のアパート。
大体帰るんはいっつも夕方。
けど今日は金曜日で、この日は静かに酒盛へと形を変えてた。
「今度からここにしようや」
「ん、別にもうかまへんけど」
「もうてなんじゃ」
「俺の目的は酒盛ちごてサスケの部屋やったから」
「やらしぃなお前は」
「サスケの匂いが充満してる場所やで?魅力的やん?」
「それもう変態の域やぞ…」
呆れ顔のテツとケイ。
俺は…。
「サスケまた真っ赤」
「変態が彼氏でかわいそなやっちゃ」
ちゃうん。
千里の俺を見る目があんまり熱っぽいから。
珍しく自由とされてるこの体をすぐにでも捕えて欲しい思てまったから、やでな、赤なってしもただけ。
ん。
最近あかんの俺。
千里不足。
だってな、ガッコで会えへんねんもん。
毎日あんだけぎゅうされてたんが、いきなり手放されたみたいで寂しい気持ちもあって。
それに何でかこうして四人でおる時も、千里は俺に触れようとせんかった。
謹慎くらってからずっと。
最後にちゅうしたんも遠足のあの日や。
それからずうっと、会うても千里は俺を触ろうとせんかった。
ぎゅうだけでえぇんに、して欲しい。
「あー、酒切れよった」
「俺行ってくる」
「あかんよ」
立ち上がった俺に千里の強い一言。
理由は考えんでも分かった。
「えぇよ、行くから。もう絡まれたりせんし」
「あかんゆうてんねん。座れ」
「いや」
無視して玄関に向かう。
当然後を追われて、音が出そうなくらいきつく腕を掴まれた。
痛い。
離してや。
あかんのん、俺。
外出て熱冷まさなあかんの。
やないとあほみたいに求めてしもとる気持ちがおさまりきらん。
「サスケ」
「待てって、ほなら俺とテツで行くから喧嘩すな」
「俺を巻き込むな」
「えぇやんけ、はよ行くでハゲ」
「外出たらどつく」
「はいはい」
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