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「おはよう、俺たちは恋人になるべきじゃなかった。
ーだから別れよう。」
目が覚めて、開口一番。
変わらない顔で、体制で、声で。
「…は?何言ってんの?」
「あぁ、でも嫌いあって別れるわけじゃないし、今すぐ別れるってのもあれだよね、どうしようか?いつまで恋人にする?」
まるで今日の予定を話すかのような乾いた笑顔で聞いてきて。
疑問形の形を取っているだけで有無を言わせない所もいつも通り。
「…理由を聞きたいんだけど?」
「さっき言った通りだよ?恋人っていう関係は似合わないかなって。」
「それは俺のことが嫌いになったとか他に好きな人が出来たとか、そもそも男は無理だとか、恥ずかしいっていう感情から来た結論なの?」
まさかなんの前触れもなく別れ話を切り出されるとは思っていなかったから気が動転している。
「…冬のことは好きだよ、嫌いだなんてもってのほかだ。
好きな人なんて出来てないし、ゲイに変わりはないし、そういう問題じゃない。」
「っじゃあなんで…!」
「恋人って関係に違和感を覚えたから。
理由になるよね?
ああ、部屋は都内に新しく借りることにしたけど、来週からしか入れないからそれまでは泊めてくれると嬉しいかな。」
理由になってないのに、問い詰めたいのに声が出ない。
「ふざけんなよ?そんな言い分が通じるとでも思ってんのか?出てったら地獄の果まで追っかけんぞ?」
やっとの事で振り絞った言葉は上っ面だけの脅し文句だけ。
「あのね、恋人っつー関係は、お互いの了承の元で成り立ってんのな?だからお前が俺の事を付きまとったらそれはストーカーなんだよ。」
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