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新しい日常 4
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どうしたものかと考えていると、3人の背後にメラリと燃える炎をまとった職員が、腕を組んでやってきた。3人は目の前のことをに必死で、職員には気が付かない。
「こらっ!!!」
その職員、鈴木美香は普段は可愛らしい声を目一杯低くして声を張り上げた。3人はびっくーっという両肩を持ち上げると、おそるおそる振り向いた。鈴木さんは怒ったような怖い顔で、3人を見ている。
「ご飯を食べる時の決まりは?」
「……」
「決まりは? 覚えてるでしょう?」
3人はようやく俺から離れるとバツが悪そうに俯いて、お互いをちらちらと見合った。先ほどまでの威勢はどこへやら、もじもじと手や足を絡ませて遊んでいる。
「咲ちゃん、決まりを教えて?」
鈴木さんは名指しでそう聞いた。咲ちゃんは、今にも泣き出しそうなほど目を赤くしながら「ご飯を食べてるときは、立って歩いちゃだめ」と小さな声で口にした。それを聞いた鈴木さんは、ようやく組んでいた腕を解くと、ふぅと一つため息をついた。先ほどまであった怒気が消えると、3人は敏感にそれを察知して顔を上げた。
「そう、立って歩いちゃだめだよね。冴島先生も、さっきそう言ってたよね」
3人は同時に頷く。
「あっちでおしゃべりしたい、大好きな先生と話したいって思っても、食べてるときはだめだよ。食べ終わったらたくさんお話できるでしょ?」
3人はまた頷いた。鈴木さんはふっと表情を柔らかくすると、3人の頭を優しく撫でた。
「よし、じゃあご飯食べようか」
鈴木さんは俺に視線をやると、会釈をしてテーブルのほうに戻っていった。3人は名残惜しそうに俺を見つめた後、控えめにこちらに手を振ってから鈴木さんの後を追いかけた。
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試験期間&レポート執筆期間のため、このお話を投稿するのがかなり遅くなってしまいました。
待っていてくださった方にはすみません。
これからもよろしくお願いします。
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