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介と夜 3
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「体小さいから軽い眠剤で大丈夫そうだし、何日かそれで眠ってもらおう。そして、桐也は幸月君が起きる前に会いに行くようにして、朝になったら来てくれるって覚えてもらうしかないかな」
「俺もそれがいいと思う」
「うん、じゃあ、幸月君の腕、出してもらって……」
胸にひっついてぐずぐず泣いている幸月の腕を掴み、介に見えるようにする。幸い泣いている幸月に注射針が見えることはなく、手早く処置は終わった。
「幸月、ごろんしよう」
「やぁ……」
「俺も横になるから」
部屋の真ん中に敷布団と枕を持ってきて、そこに横たわらせる。掛布団をかけている間も、幸月の視線は俺から外れなかった。
「明日も会えるからな」
そう声をかけながらトントンとお腹を叩いていると、しっかり開かれていた幸月の目がとろんとしてきた。それでも目を瞑ってはいけないと自分を叱咤させるのか、幸月は落ちかけた瞼を何度も押し上げる。しかし最後には完全に目を閉じてしまって、その後すうすうという微かな寝息が聞こえてきた。
胸を撫で下ろし、布団を出る。これで夜目を覚ますことも無いだろう。
「お疲れ、桐也」
「介もありがとな」
電気を消して、俺たちは部屋を後にした。
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