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初めての交流 5
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幸月の背を撫でながら子供達の様子を確認する。
一班が担当する子供達は、おおむね報告通りの傾向が見てとれた。
雪くんはマイペース、あゆみちゃんは引っ込み思案気味だが、例えば雪くんに唐突に話しかけられても少しなら答えられる。
文ちゃんと若葉くんはいつも一緒にいて、若葉くんが部屋を走り回るのに文ちゃんが黙って着いていく感じだ。そしてそれを追いかける春広。一番はしゃいでるグループで、見ていて思わず笑いが漏れる。
他の子供達も、大人しい子もいればよく喋る子もいる。ひなどり棟にいる子供の多くは、育った環境の過酷さも相まって幼い言動をする子供が多いが、年相応に落ち着いて、絵本ではなく小学校高学年が読むような児童書を読んでいる子もいた。
他の職員からの声掛けな多少怯える子もいるものの、皆経過は良好に見える。
俺は幸月に視線を戻した。幸月は腕の中で小さく丸まっていた。ここに来てからずっと怯えている。部屋に全ての児童と職員が集まってから30分以上経過しているが、依然として変わりはない。
この様子だと、「みんなで食事」は無理そうだ。
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