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初めての交流 6
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幸月を刺激しないように一定のリズムで背中を叩きながら外を眺めていると、ふと近くに気配を感じた。振り向くと、そこには雪くんが立っていた。折り紙を輪っかにしたものをいくつも繋げて作ったネックレスを首にかけ、右手にもまた同じものを持っている。
「雪くんは折り紙が好きなんだなー」
そう声をかけるが、雪くんは反応しない。どうやら彼の興味は俺ではなく、腕の中の幸月にあるようだった。
悠生はどこにいるだろうと探すと、少し離れたところからこちらの様子を伺っている。何か起きた時すぐ来れるようにはしているみたいだ。
雪くんはしゃがみ、そろりそろりと幸月に近づいた。幸月は顔を隠しているので、雪くんが近づいていることに気がついているかはわからない。
「ねぇ」
雪くんが、確かに幸月に向かって声をかけた。大袈裟に幸月の肩が跳ねる。俺は変わらず幸月の背中を叩きながら、2人の様子を観察していた。
「なんでねてるの?」
「……」
「おきてる?」
「……」
「おなまぇ、なんていうの?」
「……ふ、ぅ」
「ふ?」
過呼吸の前兆だった。
「雪くん、ごめんな。幸月、ちょっと今眠いみたいだから、寝かせてくるな」
立ち上がりながらそう声をかけ、悠生に目配せする。目が合った瞬間に彼は動き出していた。
「雪くん、こっちで遊ぼ。歩ちゃんの折り紙すごく上手だぞ」
「おりがみ!」
悠生の言葉で雪くんの興味が逸れた隙に幸月を部屋の外に連れて行った。
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