アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
初めての交流 7
-
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ……」
本格的な過呼吸が始まり、幸月の体に力が入る。他の子供に見られる前に部屋から出られて良かったと安堵しながら105号室に戻った。
「幸月、俺とおんなじように息を吐いて」
床に座りそう告げて、俺は大きく息を吐いた。音が聞こえるようにゆっくり息を吐き、それより少し短く息を吸う。
「ふぅー……はぁ……ふぅー」
幸月は俺の顔をチラリと見てから、苦しげな表情のまま呼吸の真似をし始めた。
「いい子。もう一回。ふぅー」
何度か繰り返すうちに、体の筋肉の強張りも解けてきた。緊張状態で疲れたのか、幸月はぐったりと体をもたせかける。
「よく頑張った。偉いよ、幸月」
そう言いながら頭を撫でた。慣れない環境でよく耐えた。過呼吸になって怖かっただろうに、ちゃんと俺の真似をしてくれた。本当によく出来たと思う。
他の子より適応できていない部分はまだまだあるが、幸月のペースでやっていくしかない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
85 / 801