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得意創作 11
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昨日外遊びをするつばめ棟の子供たちを見て、幸月も気分転換に外に出したらどうだろうかと思ったのだ。
ひなどり棟の子供は基本的に外に出ないが、出てはいけないという決まりは無い。いつも室内で、さらには限られた人としか関わらないままなのは、これからの幸月の成長に良くない。大勢の人と一緒なのはまだ難しくても、2人で違う環境に行ってみるのは出来るかもしれない。
俺は幸月を立ち上がらせて、窓際に連れて行った。そして外を指差す。
「外。あっちが外だよ。今日はそこに行く」
幸月はじーっと青空を見て、奥の林を見てから俺を見つめた。
「わかった? 大丈夫? 今から行くよ」
幸月は頷いたかどうかもわからないほど微かに首を縦に振った。
しかし、ドアの前に連れて行った瞬間に何か察したのか、繋いだ手に少し抵抗を感じる。
振り返ると、顔をこわばらせていた。以前部屋を出たのは交流会の日だったから、それを思い出しているのかもしれない。少し手が震えている。
「今日は他に誰もいないよ。怖いなら抱っこで行くか」
そう言って脇に手を入れて抱き上げると、大人しくしがみついてきた。まだ警戒している。
とりあえず廊下に出て、人の気配が無いことを確認する。この時間はみんな部屋で遊んでいるから、ひなどり棟は静かそのものだ。
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