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朝妻蓮 社長の提案
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「……おはよう…。…お父さん、お母さん…」
俺、朝妻蓮(22歳)は両親の写真に向かって挨拶をする。
俺の愛するお父さんは俺が中学生の時に亡くなって、お母さんは一週間前に亡くなった。
両親は無宗教だったため仏壇も位牌もない。
それが両親の遺言だから…。
だから家にあるのは仏壇ではなく家族写真。
「……。…お父さんとお母さんがいる時の夢を毎日見るんだ…」
家族写真を見て、俺はため息をつく。
両親の夢を見ている時はいい。
だけど、起きた時の両親がいないこの現実は、俺に絶望しか与えない。
だから毎日、目が覚めてもすぐに起き上がる気力もない。
布団から起き上がるのに二時間ぐらいかかってしまう。
「……。この家には思い出がありすぎるんだ…」
自分の言葉に頷く。
「うん…。この家から逃げたい。うん、逃げよう……」
俺は両親との思い出がいっぱい詰まったこの家から目を背くように、無意識に呟いてそう決心した。
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