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ブラコン公認
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入学式の為、体育館に集められた在校生と新入生で密集した空間で、俺はただ、ボーッと校長の話を聞いていた。
兄を探すゲーム、なんて暇つぶしにしていると、兄だけ輝いて見える俺は、数秒で見つけることができた。
人より優秀なこの視力を誉めてやりたい。
と、そんな事を考えて兄を見つめていると、兄の隣にいる、金髪のいかにもヤンキーと言われる部類の男と目があった。
その時、その男はニヤリと笑って兄の耳元に顔を寄せ何かを耳打ちしている素振りを見せた。
その、距離の近さに、俺はすぐにでも引き剥がしてやりたい衝動をグッと抑えた。
さすがに、入学式に目立つのは気が引ける。
入学式を終え、同じクラスの奴らの波をかき分けて一目散に、兄の元へ向かった。
「海にい!」
「え、おい、お前もう1年はクラス向かってんだろ、俺らも今からクラスに帰るから戻れよ」
恥ずかしそうにそして、気まずそうな表情を見せる兄だったがそんなことはお構いなし。
俺は、先ほどの距離の近い兄の同級生に目をやった。
「お、来た来た。弟君」
ニヤニヤ笑う先ほどの金髪男。俺はその不快な表情に、苛立ちはピークに達していた。
「はじめまして、海弥の弟の吉弥です。兄は近くでベタベタされるのが好きではないので、そう気安く触らないでください」
「...本物の弟くんもなかなか強烈だなぁ」
「悪いな、茜。気にしなくていいから」
兄は俺の味方をする事なくこの、茜と言われた男の肩を持つ始末だった。
「んぇ...海にい...俺にベタベタするなっていうじゃん...」
「お前とは兄弟だろ?兄弟でそんなベタベタするやついねぇって...」
俺があからさまに落胆していると、金髪男が俺に肩を組んで耳元で一言。
「悪いなぁ、俺、海弥にガチ恋だから、オトウト君は黙って見守っててね」
それだけ言われて、スッと離れて行く金髪男。
俺が声を出そうとした瞬間、遠くから俺の名を呼ぶ担任の姿があった。
「ほら、早く行けよ〜ブラコン君」
「こら、茜。まぁ、とりあえず吉弥は教室に行けよ、入学早々教室に行かないなんて、問題児にも程があるぞ」
俺は担任の先生に連れられ教室に引きずられて行った。
あの男。許さん。
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