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蝉時雨が降る夏に(日焼けチャラ男大学生同士)
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「最近、お前に犯される夢を見るんだよ」
真夏のアパートの一室で、結城はソフトケースから億劫そうに煙草を取り出した。真っ白なレポート用紙を隅へ追いやり、代わりに炭酸飲料の空き缶を引き寄せる。
「真っ暗な部屋で寝てると、誰かが俺の体をすげえ撫で回してきてさ。感触で分かんだよ、これは女の手じゃねえって。間違いなく男の手だって。そう思って薄く目を開けると、いつも目の前にお前がいてさ。それで、ああ俺、伊嶋に襲われてんのかって気付くわけ」
俺の自宅でゼミのレポートをやるという体裁だったのだが、やる気はとうに失せていた。大学のキャンパス内であれば他人の目もあっただろうが、ここには俺たちしかいない。レポートに取り組もうが、サボろうが、人には言えない話をしようが、誰にも咎められることはない。
「別に乱暴にされたり、無理やり体を開かれてるわけじゃねえんだけど。だけどな・・・あれは、抱かれるなんて甘いもんじゃねえ。俺を精神的に拘束して、逃げ場を全部塞いで、閉じ込めて・・・すべての自由を奪った上で、真綿で首を絞めるように俺を犯すんだ」
窓の外では、蝉時雨がひっきりなしに響いている。暑がりの結城のために設定温度を低めにしたのだが、男二人分の体から発せられる熱気はエアコンの冷気を上回っているようだ。ベッドを背もたれにして紫煙を吐き出す結城を見ているだけでも、全身から玉のような汗が噴き出してくる気がする。
「すげえ夢だろ? 俺とお前がヤってんだよ。俺とお前がセックスしてんだよ。大学で散々ナンパ野郎だのチャラ男だの言われてきた、俺と伊嶋がだぜ?」
結城の口から白い煙が揺らめく。ゆるくパーマをかけた前髪の向こうで、綺麗な瞳がゆっくりと瞬いた。日に焼けて浅黒くなった男らしい手が、短くなった煙草を暗い缶の中へ突き落とす。
「笑っちまうよな。いくら最近女を抱いてねえからって、お前とヤる夢を見ちまうなんてどんだけ飢えてんだって話だよな。しかもそれをお前に話すって、マジで意味分かんねえと思うよな。・・・だけどよ」
結城はゆっくりと立ち上がると、両手を交差させて服の端を掴んだ。そのまま腕が上がっていき、鍛えられた上半身が露わになる。逞しい腕が、脱いだシャツを適当にベッドの上へ放り投げる。
「これ、お前の仕業だろ」
夏男という表現がぴったりの健康的な体を見せつけながら、結城はカラーコンタクトを入れたような綺麗な瞳で俺を見た。お揃いで開けたゴールドのリングピアスが、窓から差し込む夏の日差しを強く反射する。
「俺の体、よく見ると全身にキスマークが付いてんだよ。これ、お前が付けたんだろ。俺が眠ってる間に、お前が俺の体を勝手に弄ってたんだろ」
結城が声を張る度に、割れた腹筋が躍動する。怒りなのか、動揺なのか、失望なのか、興奮なのか。結城の筋肉を、心臓を、全身を揺らすものは何なのだろう。沈黙を貫く俺に痺れを切らし、結城が苦々しく吐き捨てる。
「あれ、夢じゃなかったんだな」
近くで、鳥が飛び立つ音がした。
窓の外で騒々しく飛び去った鳥に構わず、俺は伊嶋を見据えていた。突然こんなことを言い出されて面食らっているかもしれないが、俺にキスマークを付けられる奴なんて伊嶋しか考えられない。素知らぬ顔でしらを切られようが、言いがかりだとキレられようが、引き下がるつもりはない。
「・・・」
改めて自分の体を見下ろすと、おびただしい数のキスマークが残っていた。焼けた肌に隠れていてよく見ないと分からないが、ひとつ見つけてしまえば、どれもこれもマーキングの跡だと分かる。
「・・・」
依然として伊嶋は沈黙していた。艶のある黒い短髪と綺麗な額の下で、切れ長の目が飄々と俺の肌を見つめている。その表情からは何も読み取れない。溜め息を吐き、ベッドを背に座り込む。緩慢な動作で煙草のケースへと手を伸ばすと、突然伊嶋に抱き締められた。
「・・・そうだよ。全部、俺が付けたキスマークだ。眠るお前を全裸に剥いて、何十分もかけて肌を吸った跡だ。いつもは暗い部屋の中だったからほとんど見えなかったが・・・よく似合ってんじゃねえか」
伊嶋はあっさりと認めた。それどころか、どこか嬉しそうな声でよく分からない睦言を囁いてくる。絶句したまま固まっていると、俺と同じくらい日に焼けた手が素肌を撫で始めた。暑さで汗ばんだ体に、ぞわりと鳥肌が立つ。
「言っておくけどな、結城。俺はお前を最後までヤってはいねえよ。服を剥いで撫で回して、射精まではさせたけどな。まあ、本当は途中で起きたら犯してやろうと思ってたんだが・・・お前、いつも爆睡して起きねえし」
窓の外で、狂ったような蝉時雨が夏の静寂を切り裂いている。そんな蟲の狂騒曲に重なるように、伊嶋の熱を孕んだ低声が骨の髄に染み込ませられていく。背中に回された手が背骨をなぞり、腰を掴み、デニムのファスナーを下げ、下肢を露わに剥いでいく。
「何だ、脱がされて恥ずかしがってんのか? ガキみたいに隠しやがって。つーか、今更隠しても無駄だろうが。お前のここを、俺が何度見たと思ってんだ? 何回イかせてやったと思ってんだ?」
伊嶋の逞しい腕は全裸の俺を無理やり立ち上がらせると、軽々とベッドに転がした。薄いタオルケットが背中の下で脈打つ。すぐに起き上がろうとしても、俺の自由を奪おうとする手が五月雨のように降ってくる。やがて俺が動けなくなったと知ると、伊嶋は恍惚とした表情で笑った。
「ああ、やっぱり起きてるお前を組み伏せる方が何倍も興奮するな。その怯えたフリも、抵抗するフリも、痛えくらい股間にクるわ」
何度も女を組み敷いてきたのに、俺はあっさりと伊嶋に捕まった。上背のある体躯で脚を割られ、頭上で一纏めにした手首を片手で押さえられ、汗の流れる首筋と盛り上がった鎖骨を人差し指でなぞられる。屈辱的な遊戯に、体が勝手に熱くなっていく。
「結城、今度は夢じゃなくて良かったな。お前、やっと俺とヤれるんだぜ。今度こそ俺とセックスできるんだぜ。なあ、結城。お前、本当に良かったな」
誰が、と反論しようと開いた口に、伊嶋の肉厚な舌が突っ込まれた。キスというにはあまりにも乱暴な口付けをされたのだと気付き、頭にかっと血がのぼる。
「すっげ・・・もうガチガチじゃねえか。寝てるときもすぐ勃ってたが、やっぱり意識があると余計に感じんのか?」
鉛のように重い体で圧し掛かり、伊嶋は無遠慮な手で俺を愛撫した。肩を抱き、あばらを通り、乳首を捏ね繰り回す。割れた腹筋をなぞり、脚の付け根を撫で、陰茎を乱暴にしごく。射精を促す性急な手淫に、体がびくびくと跳ねる。
「お前、もうイきそうなんだろ。俺にヤられて興奮して、もう出したくなってんだろ。我慢してねえでさっさと出しちまえよ。俺に、お前のイく姿を見せてみろよ」
汗ばんだ無骨な手で弄られ、言葉で煽られ、我慢することなんてできなかった。伊嶋が短く笑い、硬く反り返った陰茎の先を指先でぐりぐりと押し潰す。燃えるような興奮と叫びたくなる屈辱の中で、俺は声を押し殺して射精した。
「ああ、随分と可愛い顔でイくじゃねえか。お前、射精する度にそんなやらしい顔してんのか? マス掻いてるときもそんなエロい顔してんのか? はっ、そんなんで本当に女を抱いてきたのかよ」
不敵に笑う表情は獣のようだ。目の前で無様に射精した俺を見下ろし、次はどうしてやろうかと舌なめずりしている。俺はどうしてこんなことになっているんだと考える余裕もなく、興奮した伊嶋の一挙一動に震えた。
「お前の焼けた肌には、白い精液がよく似合うな。すげえ可愛いよ、結城。早くお前のナカに突っ込んで、俺の精液でぐちゃぐちゃに汚してやりてえ」
足首に結んだミサンガを撫でられたかと思うと、伊嶋の両手が膝裏に差し込まれた。膝が肩に付くほど持ち上げられ、男を受け入れる体勢をさせられる。視線の先で、硬く反り返った伊嶋の陰茎が俺を狙っている。
「今日は初めてのセックスだから、それに相応しいBGMを聞かせてやるよ。俺がどうして眠るお前を襲ったのか。どうして今、俺たちがセックスすることになってんのか。ほら、これがすべての始まりだ。・・・さあ、お前も聞けよ」
伊嶋のスマートフォンから、濁った風の音が聞こえてくる。録音したテープを再生するような独特のノイズがザラザラと零れている。その雑音の中で、誰かが喘いだ。
『・・・っ、伊嶋・・・伊嶋、好きだ・・・っ、あぁ、もう、イくっ・・・、好きだ、伊嶋・・・っ、あぁっ!』
呼吸を忘れた瞬間。俺の精液をたっぷりと塗った伊嶋の陰茎が、一気に体内へ挿入された。
めり込むように結城の体内へ侵入していった陰茎を見下ろすと、少しの隙間もなく繋がった結合部が見えた。慣らさなくても俺を受け入れた秘部に、充実した達成感が広がる。ゆっくり抜き差しを始めると、狭すぎる肉壁が未知の快感に慄き、俺の陰茎をきつく締め付けてきた。
「やっとお前を抱いてやれたな、結城。すっげえ締め付けやがって、そんなに俺とヤれたのが嬉しいのか? 積年の片想いが成就して、体まで女みたいになっちまったのか?」
「やめ・・・伊嶋ッ! う、あぁ・・・ッ! や・・・っ!」
色気の漂う焼けた肌を汗で光らせた結城は、浅く荒い呼吸を繰り返しながら枕元のシーツを掻き毟っていた。貫かれた痛みより、肉壁を犯される快感に耐えているのだろう。健気な両手に指を絡め、肉と肉がぶつかり合うほど強く結城の穴を穿つ。目を見開く結城に構わず、びくびくと痙攣する体を押さえつけ、容赦なく腰を打ち付ける。
「お前の気持ちは分かってるよ。夢に見るほど、俺が欲しかったんだよな? 眠る俺の名前を呼びながら一人寂しくマス掻いちまうほど、俺のことが好きだったんだよな?」
「なっ・・・何で、知って・・・んっ、うぁ、あッ! あんっ!」
結城の低く淫らな声が、明るい夏の日差しに溶けていく。初めて結城の自慰行為を知った夜以上に興奮し、硬く勃起した陰茎で何度も肉壁を犯す。ぐちゅぐちゅと音を立ててひっきりなしに突いてやると、律動に合わせて結城が喘ぐ。
「お前、俺にバレてねえとでも思ってたのかよ? 俺が寝てるからって、すぐ隣でやらしくマス掻きやがって・・・まあ、お前は体を弄られても気付かねえくらい鈍感だからな。俺が録音してたことも、裸に剥いて愛撫してたことも気付かなかったんだもんな。そりゃあ、バレてねえって思っちまうよな」
「ひ、い・・・ッ、あ、ぁ! いや、だ・・やめ、伊嶋・・・っ!」
俺の笑い声と結城の嬌声が重なった。征服欲が満たされた幸福感に浸りながら、執拗に結城の穴を突く。腰を動かしながら揺れる陰茎を握ると、あふれた先走りで淫らに濡れている。ぐちぐちと音を立ててしごいてやると、結城の目尻から涙が流れ、体内が蠢き、結合部がきつく締め上げられる。
「またこんなガチガチにしやがって・・・こんなの、しごいたらすぐ出ちまうだろ。先っぽから涎まで垂らして、お前よく我慢できんな」
「ああっ! はぁッ・・・、うっ、伊嶋・・・、あぁ、伊嶋・・・ッ!」
陰茎を上下に擦りながら腰を打ち付けていると、結城の肉壁が急激に収縮した。やがて硬く反り返った陰茎から精液が飛び散り、体内が激しく蠕動する。俺も数回陰茎を抜き差しすると、腰を結城の尻にぴったりと密着させ、少し遅れて熱い体内に射精した。
「・・・結城、すげえ可愛い。お前、マジで可愛いよ。お前のイき顔、マジでエロくて堪んねえ。もう一回ヤるから、その可愛い顔で射精しろよ。俺の目の前で、真っ昼間から精液出しちまうだらしねえ姿をもう一度見せてみろよ」
「くぅ、んっ、んぅ・・・っ! はぁッ・・・ぁん!」
汗で濡れた髪を撫でてから、まだ絶頂の余韻が残っている結城の肉壁を陰茎で掻き混ぜる。低い悲鳴が響き、結城の体がいらやしく跳ねる。それに気を良くした俺は、すぐさま乱暴な律動を再開した。狂ったように暴れる肉襞の抵抗をものともせず、ごりごりと責め立てていく。
「く・・・マジで、すっげえきついな。こんなエロい体じゃあ、もう女は抱けねえよな? 女なんて抱く必要ねえよな? お前は、俺にだけ突っ込まれてればいいよな?」
「あああ・・・ッ! ぐ、ぅ・・・い、伊嶋ぁ・・・っだめ、駄目ッ・・・!」
陰茎と精液を飲み込んだ淫らな穴は、再び激しい収縮を繰り返した。いつも涼しい顔で女を掻っ攫っていた色黒の遊び人が、俺の陰茎を深く咥え込んで卑猥に喘いでいる。あの結城が、俺に犯され、射精させられ、中出しまでされている。
「結城、お前は俺がいいんだよな? 俺にヤられるのがいいんだよな? イきながら俺に中出しされたいんだよな? なあ、可愛い顔で射精しながら、エロい声で俺をねだれよ」
「ああっ、伊嶋・・・伊嶋ッ! 好きだっ、好き・・・ッ! お前が、お前が、いいっ・・・あっ、ああっ、早く、中に、出してくれッ、伊嶋っ、ああっ、伊嶋ぁッ!」
悲鳴にも似た声が真夏の蝉時雨を切り裂く。結城の割れた腹筋に、三度目の精液が飛び散った。
伊嶋のことを好きになったきっかけは何だっただろうか。ただ共に女遊びに明け暮れていた悪友でしかなかったはずなのに、いつからこの男に抱かれたいと思ってしまっていたのだろうか。手を伸ばした先に答えなんてあるはずもなく、震える指先は愛する男の髪に絡み付く。
「う、あぁ! ああッ! ひっ・・・ひぃッ!」
「ん、どうした? またイっちまいそうか?」
硬く反り返った伊嶋の陰茎は、まだ俺を貫いたままだ。ベッドの上で対面座位にされた体は、乳首を吸われ、陰茎をしごかれ、下から突き上げられている。ねっとりと舌を絡ませ合うキスから俺を解放した伊嶋は、強すぎる快感に激しく暴れる肉壁を嘲笑うように、一層強く俺を突き上げた。
「あッ・・・あんっ! うあぁっ! や・・・っ、あぁ!」
「あーあー、上の口からも涎垂らしやがって。ほら、舐め取ってやるからこっち向け」
素直に応じてしまった俺を見て、伊嶋が小さく笑う。羞恥に伊嶋の頭を抱えると、また乳首を強く吸われた。啼き止まない蝉たちの嬌声が聞こえる。耳を劈くような声と底知れない快感に、頭がおかしくなっていく。
「い、伊嶋ぁっ・・・! あ、あッ! んッ、んぅ・・・!」
「なあ、お前はもう俺のものだよな? もう俺しかいらないよな? こんなにヤって、何回も中出しして、お前のナカに俺の精液たっぷり注いだもんな? だから、お前はもう俺のものだよな?」
健康的に鍛えられた体と、病的な愛を告げる唇が倒錯的な色気を醸し出す。いつまで経っても硬さを失わない陰茎に肉壁を犯され、頭が真っ白になっていく。汗ばんだ肌を輝かせる明るい夏の日差しが、理性も知性も―――この想いを告げることを諦めた日の思い出も、すべてを攫っていく。
「伊嶋っ・・・、俺っ、もう出るからッ、お前も、ッ・・・ああっ、早くっ、一緒が、一緒がいいッ、早く、伊嶋っ、伊嶋・・・ッ!」
「結城、お前は俺のものだって言え。俺しかいらねえって言え」
獣のように荒々しい息を吐く伊嶋に、再びベッドの上へ押し倒される。正常位に戻ったと気付いた瞬間、陰茎を駆け上がっていた精液が止まった。いや、伊嶋の手によって止められていた。
「うあぁ! いやッ・・・イきてえっ、出してえよッ! 伊嶋っ! 無理、無理ぃ・・・伊嶋ぁッ!」
「お前が言ったら離してやる。結城、早く俺しかいらねえって言え。俺に中出しされてえなら、俺しか欲しくねえって言え」
興奮で瞳孔の開いた眼をした伊嶋が、今にも達しそうな俺の陰茎の根元をぐっと握っていた。それでも伊嶋は腰を止めようとはせず、射精寸前の膨張した陰茎で執拗に犯している。射精を許されないまま何度も肉壁を擦られて、壮絶な快感に押し潰されそうになる。
「ひい・・・ッ! ぐ・・・っ、ああっ、伊嶋ぁッ・・・伊嶋っ・・・俺、俺、お前しかっ、いらねえよぉ! っあ、ああッ、出る、出るッ! 伊嶋ぁ! 伊嶋ッ、好き、好きだっ! 伊嶋ぁッ!」
「・・・っ、結城、結城・・・ッ! 好きだ・・・っ、すげえ可愛い、俺のものだ、俺だけのものだ・・・ああっ、結城っ、好きだッ・・・!」
伊嶋の手が離れた瞬間、体中に熱い精液を感じた。深く陰茎を咥え込んだ肉壁が、伊嶋の精液にまみれて激しく収縮する。腹に新しい精液が飛び散り、全身がびくびくと痙攣する。
「はぁっ・・・、はぁっ・・・、あぁ、伊嶋、伊嶋・・・」
「・・・結城」
半開きの唇を割って、肉厚の舌が入り込んでくる。鼻にかかった吐息と淫らな唾液音が卑猥に混ざり合い、頭がくらくらする。むせ返るような雄の匂いが鼻孔を擽る中、濡れたキスを繰り返す。
「・・・あ・・・ッ、い、伊嶋・・・」
「・・・疲れただろ。少し寝てろ」
大きな手が目隠しのように近づいてくる。視界を遮った優しい暗闇は、やがて俺を深い眠りへと誘った。
結城が完全に眠ったことを確認してから、ゆっくりと陰茎を抜いていく。腰を引くだけでも肉壁が淫らに収縮したが、感情を殺して熱い体内から出ていく。
「・・・結城」
「・・・」
白い糸を引いて離れた結合部を見下ろすと、中出ししたばかりの精液がどろりとあふれてきた。夏の明るい日差しの下で、全裸に剥いた結城が惜しげもなく淫らな裸体を晒している。
「・・・結城」
「・・・」
返事はない。何度もイかせた体は限界を迎え、あっという間に深い眠りへと落ちていった。秘部から精液を垂れ流していても、結城は起きる気配すらない。俺は指先で精液をすくうと、結城の穴へゆっくりと挿入した。
「・・・結城。せっかく中出ししてやった精液を吐き出してんじゃねえよ。お前は俺のものになったんだろうが。お前はもう俺だけのものだろうが。吐き出したりしねえで、全部こっちの口で飲み込めよ」
「・・・っ」
意識のない体が異物を感じて小さく跳ねる。それでも結城は意識を失ったままだ。指を三本に増やし、狭い肉壁を割って根元まで挿入する。
「お前が俺を好きになったんだろ。お前が俺を欲しがったんだろ。お前が俺のすべてを受け入れねえでどうすんだよ」
「う・・・」
ぐっしょりと濡れた体内は、熱く卑猥に蠢いていた。指先をばらばらに動かして柔らかい肉壁に精液を塗り付けながら、絶え間なく収縮する淫らな壁を愛撫してやる。結城の眉根が寄り、陰茎が徐々に勃ち上がってくる。
「そうだよな。やっぱりお前は、俺の精液が好きなんだよな。また勃っちまうくらい興奮するんだよな。ははっ、堪らなく可愛いよ、お前。俺たち、きっと最高の恋人になれるぜ」
「ん、ぅ・・・」
何度も繰り返してきた夜のように、眠った結城の体を犯す。結城は目を瞑ったまま意識を失っているが、すでに体は反応していた。腹に付くほど反り返った陰茎に舌を這わせ、薄くなった先走りを舐めてやる。
「結城。お前は、俺にヤられて嬉しいんだよな。俺に中出しされて嬉しいんだよな。もうお前は、俺しかいらねえんだもんな」
「っ・・・んッ」
俺を受け入れた愛しい肉壁をぐちゃぐちゃと掻き混ぜながら、硬くなった結城の陰茎を咥え込む。頭を上下させてしごいてやれば、淫らな下半身は俺を求めて卑猥に揺れた。
「何も知らない癖に、俺なんかを好きになりやがって・・・。どうせお前は、自分が先に俺を好きになったと思ってんだろ。俺がどれだけこの日を待ちわびていたか、お前は何も知らねえんだろ」
「ぅ、ん・・・っ」
初めてのセックスで慣らしもせず陰茎を受け入れたことに、結城は目を見開いて驚愕していた。夢の中でゆっくり侵食されるように抱かれながら、現実では俺の指を何本も咥え込み、乱暴な愛撫に感じていた結城。すでに開発されているとも知らず、初めてキスマークを見つけて心を震わせていた結城。自分の想いが俺にバレているとも知らず、緊張しながら平静を装い俺を問い詰めた結城。可愛くて可哀想で、思い出すだけで勃起してくる。
「ん・・・はぁっ、結城、結城・・・ッ」
「・・・ん、ぅ」
卑猥な水音を立てて指を抜くと、精液が淫らな糸を引いた。眠る結城に圧し掛かり、膝裏を持ち上げて陰茎を秘部へ宛がう。
「やっとお前を手に入れた。お前はもう俺のものだ。お前は俺だけのものだ。ああ、興奮が治まらねえ。まだお前とヤり足りねえ。なあ結城、恋人になった証に、眠ってるお前の体も堪能させてくれよ」
「・・・」
柔らかくなった穴に、硬い陰茎の先を押し付ける。卑猥な開閉を繰り返す入口が、性急に快感を求めてひくついている。
「結城・・・、好きだ」
「・・・」
灼熱の真夏に降る蝉時雨の中。俺は無意識に笑いながら、充分に濡れた穴にゆっくりと陰茎を沈めていった。
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