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「百瀬さん失礼いたします」
「神楽久しぶりだね」
ニコニコと出迎えてくれるこの人は昔から僕を指名してくれる常連さんの1人だ。
「さあこっちにおいで」
今日は膝の上を御所望らしい。彼は優しい人だと思う。執着心はすごいけれど。
「はい」
「何だか今日は体が暑いね。熱でもあるのかな」
「いえ、大丈夫です。」
「ーそう。昨日は誰の相手をしたのかな?」
ふと僕の体に違和感を感じたのか昨日の相手を詮索し出す。
この人ではよくあることだ。なぜそうも知りたがるんだろう。
「それは言えないお約束ですよ百瀬さん」
「そうだったね。でも誰だかわかった気がするよ」
さっきまでの笑顔はどこに消えたのか。お腹に回る手に力が入る。
「ムカつくなぁ」
「ウッ、」
急に首を絞めてくるとかこの人の情緒はどうなってるんだろう。
「どうせ出雲の奴が変な薬でももったんでしょ。気持ちよかった?」
首に手をかけながら服をはだけさせていく。
「っぁ、、っ」
何か落ち着かせる言葉を紡ごうにも首を絞める力が強すぎてなにも声に出せない。
どうやったら落ち着いてくれるんだろう。
酸欠で頭がぼーっとしてきていよいよまずい。
絞めてくる力強い腕をキュッと握ると思い出したかのように力が緩んでいく。
「あぁごめんね、ついカッとなっちゃって」
「けほっ、、ぁはぁ…っ大丈夫、です」
毎度毎度自分以外の誰かが触れた形跡があると激情するのやめて欲しい。
こんな商売してて誰か1人に絞るなんて無理な話なのに。
かと言ってこの人に僕を買うだけの金があるとも思えない。
「今日は優しくできないなー…」
そう呟かれ、また昨日に引き続きろくな目に合わないことを悟り静かに目を瞑る。
どうかこの時間が早く終わりますように。
そう祈ることだけが僕にできる最後の悪あがきだった。
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