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「ご馳走さまでした」
食べ終えたハルはまたきちんと手を合わせた。
「とても美味しかったです。ありがとうございました」
「簡単なもんだけど、美味かったなら良かったよ」
ハルの笑顔に俺も笑顔になった。
「僕、お皿、洗います」
ハルが食べ終えた皿を重ね始めた。
「いいよ、食べ終えたばかりだし、後で俺が洗うから」
俺の制止も聞かず、ハルはキッチンで皿洗いを始めた。
隣に並ぶと本当に小柄だなあ、と実感する。
「....先輩、て大きいですよね、その、幾つあるんですか....?」
「大きい、て身長?180だよ」
そう言うなり、ハルは手を止め、俺を見上げた。
「180!凄い!大きいなあ、とは思ってたけど....」
「....思ってた、て俺を知ってたの?」
「あ、いえ、さっき、玄関で会ったとき、大きいなあ、て」
ハルは改めて皿を洗い始め、俺は拭く作業。
「倉田...いや、ハルは小さいな、幾つ?」
「....恥ずかしくて言えません」
「小柄なことくらいわかってるから大丈夫だよ」
「....160です」
「へえ」
「....僕も先輩くらい大きかったらな」
ポツリ、呟くハルに釘付けになった。
「えー、あー、今日はありがとう」
改めて、ハルが寮の自室に戻る前に例を言った。
「こ、こちらこそ、ご馳走さまでした」
ぺこり、ハルは勢いよく頭を下げ、
「じゃ、先輩、ゆっくり休んでくださいね」
そうして笑顔で別れた。
ハルが居なくなった部屋は何となくいつにも増して、味気なく感じた。
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