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父親と視察5
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***
潜入調査でいくつかの証拠を掴み、サルメルド公爵が仮面舞踏会で闇市の者との取り引きがあるという情報を得る。
「国王陛下からサルメルド公爵の差押えの許可をいただいた。」
「おお〜」
父親達は仮面舞踏会へ潜入、俺は監視カメラでサポートをする。
父親達にはワイヤレスイヤホンをつけてもらい、俺は危険だと思ったら指示を出し安全なルートへ案内する。
「では、入口へと入る。A班は見張りをB班は撮影、C班は差押えを。各自、指定の位置へ着いてくれ。」
父親は差押えを担当することとなった。まずは舞踏会の会場だ。
カメラだと人がゴミのようだ!すぎて、誰がどこにいるか分からない。仮面舞踏会とあって、仮面で素顔は分からない。
早速、父親達A班に女性達がロックオンされた。
あれだと上手く行動できないな…
………ん?
「ちょっ…ええええええ!!」
『どうした?』
「父上!右斜め5メートル先に母上らしき人がいます!!」
『なに!?』
それは予想していなかった。屋敷にいるはずの母親が仮面舞踏会にいるのだから。
何度も画面を見直すが、現実は変わらない。
「何が目的でしょうか?父上の話を聞かなかったのでしょうか?」
『……分からない』
さすがの顔面鉄壁の父親も引き攣った表情で、溜め息をついた。
このまま知らないフリをしていて欲しいが…
「あら?あなた、こんな所にも遊びに来るのですね?」
ちょっとぉぉぉお!母上!普通に父親に話しかけてきたよ!!
「遊びではない。仕事だ。今日は帰れ。」
うん、父親は普通の回答をした。
だが、今日は帰れ発言に母親の眉毛がピクリと動く。
「………フン!」
プリプリ怒った様子で、母親は視線を逸らした。何も聞こえなかったと言っている子供の様だ。
それより、母親は浮気相手と仮面舞踏会に来たのでは?
探してはみるが浮気相手は見つからない。
『父上!母上に帰るよう説得してください!』
「…ここは危険だ。屋敷で大人しくしてくれ。」
「……危険?」
「屋敷へ戻ったら宝石でもなんでも贈ってやる。今日は帰ってくれ。」
「………いやよ」
どうしてぇぇぇえ!あなた、宝石好きじゃない!どうして頑なに拒否するの!!
「父上!時間です!ターゲットが動き出しました!」
『……』
父親は母親から離れると、ターゲットの方へと進む。なるべく見つからないよう、俺がルートを選び、それにそって歩く。
「B班、右奥から3番目の控え室がターゲットの場所です。天井、窓からの撮影よろしくお願いします。A班、見張りをお願いします。C班、右奥2番目と4番目の控え室での待機をお願いします。」
上手くいくか不安で心臓が大きく動く。こんなことブラック企業でもストーカーでも体験しなかった。
相手(敵)は大人、しかも爵位の高い。狡賢く、平気で人を闇市へ売る人間だ。
ターゲットが5人控え室へ入っていった。計画は順調に進んでいるそう思っていた。
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