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父親と視察6 sideアルベール(父親)
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"例の物の搬入は済ませております。"
"まさか南の国の悪魔(薬物)が国で流行するなどあの方(国王陛下)も知らぬだろう"
やはり、薬物に関してもサルメルド公爵が関わっていたか。会話はすべてカメラに収められる。
しばらく見ないうちに息子は成長していた。
このカメラというものを作ったとは…我が子は天才ではないか!
このイヤホンというので会話する技術も素晴らしい。
『父上!ターゲットが部屋から出てきます!差押えをお願いします。』
敵がいる隣の部屋から出ると、サルメルド公爵と従者、そして闇市の上層部達を囲うよう指示を出す。
「サルメルド公爵と闇市の者を確保しろ!
国王陛下からも許可をいただいている!
抵抗しても無駄だ!逃げられると思うな!」
暴れ出す前に敵を床へ押さえつける。敵の手と足を紐で縛ると、敵の人数を確認する。
1、2、3、4…1人足りない!!
「きゃぁぁぁぁあ!!!」
「どけ!!!!」
声の主が誰かはすぐに分かった。
「セリーヌ!!!!」
体が勝手に動いた。彼女に向く刃から守るために、自分より小さな体を抱きしめる。
背中に突き刺すような痛み、ぐわんと視界が歪む。
『父上!!!!!』
そうか、、、ジュードも見ていたのだ…大切な子供にこんな所を見られてしまうとは…
「あっあなた!!!」
どさりと体が地面へと打ち付けられる。逃した敵を視線で追う。
「逃すな…」
「必ず捕らえます。」
逃げていく敵を数人が追う。
背中が熱い。息が苦しい。
『清潔なタオルで出血を押さえてください!!父上、しっかりして!俺が来るまで諦めないでください!』
「……ジュード、、、」
ジュードの指示に従い、手の空いている者たちが処置を行う。
この世界にこれほど怪我をした者を助けられるのはあの伝説の聖女しかいない。
俺はもう助からないだろう。
俺を嫌っているはずの妻は、俺の手を握ってくれている。
「ごめんなさい…私のせいで…」
「……ぃや…すまな かった。ことばが たりな かった。 やしき と こども たちを たのむ」
愛しい妻が俺を見ていてくれる。こんなに幸せな最後はない。重い瞼をゆっくりと閉じようとしたが、窓がバンと音をたてて開いたため目が覚めた。
「感動の最後みたいで悪いけど、死なせない。
父上、俺は諦めないでって言ったではありませんか!これからの未来も大切な人も諦めては駄目です!」
物語の勇者のように(3階の)窓から小さな息子が登場した。
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