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母親 sideセリーヌ(母親)
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夫が言った通り屋敷で大人しくしていれば良かった。
私を庇って倒れた夫と、夫を助けるために倒れた子供がベッドで眠る。
私は今まで何をしてきたのだろう。
夫が私に関心が無く辛くて逃げ、大切なはずの子供を遠ざけた。
ジュードは顔も表情も性格も夫に似ていた。だからこそ、子供を見ると彼(夫)を見ているようで辛かった。
「セリーヌ様、お休みになられた方が…」
「私は2人を見ています。」
2人のことで夜中にも関わらず屋敷は大騒ぎとなった。屋敷内を仕切るのは数年ぶりで少し戸惑ったが、子供から頼まれたのだ、母親として気合いを入れた。
「……おにいたん?」
「ノッノア様!!」
振り向くと、クリーム色の小さな子供が立っていた。あの人(夫)が外で産ませた子供だ。
よく見るとあの人と全然似ていない。
使用人達は私の見て顔を真っ青にしている。
「あなたは?」
「ノアでしゅ」
「そう」
舌っ足らずで可愛らしい子は、丁寧にお辞儀をすると、ジュードのそばへと駆け寄る。
「おにいたんが かえってくゆって やくしょくちたのれ 」
「そうなのね」
「おにいたん ねんねちてゆ」
「………そうね」
「おにいたん ないないなの」
「えっ?」
小さい子はジュードの手を握ると、「あげゆの」と言って手に魔力を込めだした。柔らかい白い光がジュードを包む。
「おにいたん」
子供は目を瞑ると、ずっと「おにいたん」と呟く。光が消えると、ジュードの瞼がゆっくりと動いた。
「……ノア?漏らしたのか?」
第一声がそれ!?貴方の弟が心配して手を握っているのに…やっぱりあの人の子供だわ…心配している人の気も知らないで、済ました顔をするのだから。
「おかえりなしゃい」
「あぁ」
ただ、少しだけ「おかえりなさい」という言葉に息子の顔が緩んだ。その事に、人の心もあるのだとほっとするのであった。
☆☆☆
♡いいねありがとうございます!心の支えとして頑張ります!(作者より)
ノアとジュードのらぶぅはそろそろです。
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