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国王陛下
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***
あぁ〜行きたくないなぁ…
ギラギラと聳え立つ城を見上げ溜め息をついた。
天使は母親と留守番である。母親は天使を気に入ったらしく、ぬいぐるみなどプレゼントしては写真を撮っているらしい。俺だと父親に似て可愛げのない顔だからな。写真は撮られないだろう。
「「はぁ…」」
おっと…父親と溜め息が被ってしまった。
国王陛下とは謁見の間でお会いすることになっている。国王陛下は見た目とは違いかなり変わった方らしいが、噂はあてにならないからな…
奥へ進むと、警備兵が多くなっていく。妙に緊張してきた。
大きなドアの前に立つと、ゆっくりとドアが開かれた。
赤いカーペットを踏み、前へ進むと、40代くらいの金髪のおじさんが座っている。
父上の真似をして頭を下げた。
「頭を上げて良いぞ。」
恐る恐る顔を上げると、国王陛下はニコニコと俺を見つめる。ニコニコというか笑いを堪えているようだ。
「プフっ……よくぞ来てくれた」
今、プフって笑いましたよね?気のせいですかね!
「すまないな…悪気は無いのだ。あまりに親子の似ているものだから」
「はい。」
「まぁ、そんな堅苦しいくせんで良い。椅子に座ってお茶でも飲もうではないか。」
意外とフレンドリーな国王陛下とお茶をすることになった。
椅子に座ると、サルメルド公爵の悪事を暴いたことを感謝された。
「貴族でも善悪がはっきり別れる。庶民がいるからこそ、国が成り立つ、これからも良き侯爵としていて欲しい。」
「はい」
「そうだ!褒美を考えたのだがな…思いつかなくてな……何が良いか?」
「それなら、息子がカメラを作ったことを、息子が大きくなるまで隠していて欲しいのです。」
「ふむ…それでよいのか?息子のジュードはそれで良いのか?」
「はい。面倒…ではなく、私の安全のために必要なことなので。」
「ふむ。それだけでは足りぬと思うのでな…」
「では、息子が大きくなり、何か大きな壁に直面した時、後ろ盾となっていただきたいのです。」
「そんな不確かなことで良いのか?」
「はい」
「ふむ。では、後ろ盾となろう。それとじゃな…カメラについてなのだが…城の警備に使って良いか?それとわしの個人的な趣味用に…」
「はい。悪用されないよう、色々と設定いたしますが、よろしいでしょうか?」
「ほほぅ…そんなこともできるのか。よろしくたのむ。
おぬしの息子は変わっているのぉ…欲がない。
それに、今までにない発想を持っておる。」
「はい、少し変わっていますが、性格は真面目で、私によく似ています。」
自慢の息子とドヤ顔で言う父親の姿に恥ずかしくなる。だが、少しだけ嬉しくも感じた。
「プフっ…似すぎて笑ってしまうわ。カメラを持ってくる時は、ジュードも連れて来い。わしや妻、そして子供達と話そうではないか。
そういえば、おぬし、新しく養子を迎え入れたらしいではないか?」
「…はい。亡き恩人の息子さんです」
「ふむ…また訳アリというわけか。」
「はい…恩人の息子さんなので」
「おぬしは情に厚いのぉ。その子供も連れて来い。奥方もな」
なんか知らないうちに、王族と関わるフラグがたったんだけど…これって攻略対象と会うって事だよな?
まじかよ…会いたくないんだけど…
天使がなるべく攻略対象と接触しないようにしたいとは思っていたが、、、無理そうだな。
これは、攻略対象と天使が仲良くなる作戦の方がいいのか?
だが、ノアが他の男と仲良くする姿を想像すると、心の端っこが少しだけ痛んだ。
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