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前世3
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『助けてください!この人が私達を庇って…』
コンクリートが赤く染まる。
とても寒いが、モエちゃんの熱によって和らぐ。
あのモエちゃんが俺を抱きしめている。
ここは、天国か。
『……も…え……ちゃ……あり……が…と…う』
最後に伝えたかった。ファン(ストーカー)として。
モエちゃんのおかげで、生きてこれた。
仕事を頑張れた。
救急車も到着したが手遅れであった。誰かが何かを言っている。声が雑音へと変わり、視界が白黒に。
俺は死ぬのか…
もっとモエちゃんのストーカーをしていたかった。
それだけが、心残りだ。
藤田 智一は好きなアイドルを助けてこの世を去った。
にた……にた……
「にた!!」
天使の手が頬に触れる。ぺちぺちと叩かれ、腹が重い。オムツと、パンのような足が、俺をホールドしている。
夢か……前世の……
夢の中でもあれは痛すぎ。
ノアは俺が起きたと分かると、ぶちゅっと俺の唇に唇を当てた。
おはようのキスだ。
「おはよう」
「おはようごじゃいましゅ」
今度こそ、俺は死なずに大切な人を守り死ぬまでストーキングするんだ。
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