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第2王子
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***
俺が10歳ノアが4歳となった。
ノアの誕生日にはミニカーを、俺の誕生日にはノアから似顔絵をもらった。
ノアが来て約1年が経過し、ノアも家族に慣れている。そんな中、母親が妊娠したことが分かり、父親のストーカー度がさらに上がった。
まぁ、予想はしていた。
月に1度の王族との茶会。母親は安静に安全に過ごすために屋敷に残る。父親も母親の付録としてついているため、俺とノアそして護衛が王都へ行くことになった。
「ジュード!ノア!久しぶりだな!!」
レオンにとって俺たちは数少ない友達なのだろう。満面の笑みでレオンは王城の案内をする。
「今日は俺とグレイル、父様と母様もいる。」
グレイル(第2王子)は体が弱く、茶会にはあまり顔を出さなかったが、今日は体調が良いらしい。
グレイルはあと5年。5年で死んでしまう。
これが、レオンの俺様な態度の原因でもある。
グレイルが亡くなることで、レオン1人となり、国王と王妃の愛情がレオンに向く。何を言ってもいい、許されると思い、最終的には悪役令嬢と婚約破棄をすることとなる。
グレイルを病弱設定をなんとかできないだろうか。
ここは現実だ。病気なら俺が治せる可能性もある。
「いらっしゃい。ジュード、ノア。」
王妃であるシャーロット・ハラルドはグレイルと手を繋いでいた。軽く挨拶をすると、オシャレな椅子に座る。
庭には薔薇が咲いており、甘い香りが風によって運ばれる。
最初は国王に開発したものの紹介ならぬ報告をし、レオンの頑張ってるぞ話から、ノアの可愛いぞ話をした。
「ノア、暑いから気をつけなさい」
いつもならふぅふぅ(俺が)をして、紅茶を飲ませるが、ここは王城。そんなことはできない。
ノアは気をつけて小さな手でカップを持った。
「……うぅっ」
「ノア?どうした!?」
ノアは喉元を押さえて、前かがみになる。
毒を盛られた。
王族の前だからと油断していた。
ノアの口元からは独特な甘い香りがする。
「ノア!!大丈夫か!!!!」
レオンがノアの元へ駆け寄る。王妃は慌てた様子で、使用人達に動かないよう指示をする。国王は冷静に医者を読んだ。
医者が到着する前にノアは死んでしまう。
クソ野郎…天使を殺そうとしたやつ許さん。
毒の対処は日本にいた頃にたまたま知っていた。
ノアを吐きやすい体勢にさせ、背中を叩く。
ごめん。天使。これは天使の為なんだ。
「うっうぅ…うぇぇ」
ノアの口からは毒に混ざった血が出る。
「ふぅえっにたっ……いた……くるち……」
天使のこんな辛い涙は見たくない。俺がしっかりしていれば、こんな事にはならなかった。ストーカー失格だ。
「大丈夫…兄ちゃんが助ける。死なせない。」
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