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第2王子4
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国王は椅子に座ると腕を出した。俺が針を出すと、視線を窓の方へと移す。子供達には不安を見せなかったが、実は痛いことが苦手らしい。
「はい。終わりました。陛下に毒の反応はありませんでした。
ノア、傷を癒せるか?」
「あい!いたいいたい…」
ノアのぽわぽわのアホ毛が揺れる。天使の手から温かな光が包む。
「ありがとう。ノアは小さいのに凄いな。」
「へへ…ぼくしゅごいでしゅ?」
「うむ。4歳で魔法を使えるのは凄いことだ。」
「次は私ね…」
「王妃様…力を入れると痛いと思うので抜いてください。」
「わっ分かっているわ」
細い腕。血管を見つけるのが大変だ。針が刺さると王妃の顔が一瞬だけ歪む。
「はい。お疲れ様でした。ノア」
「あい!いたいいたい…」
ノアが傷を癒している間に、血液に液体を混ぜた。
「なっ…青い?黒に近いではないか!?」
「毒ですね…」
「そんな……まったく気づきませんでしたわ…」
「少し肌の色も青いので、毒の影響はあるかと。毒を消すには解毒薬、もしくは毒を盛られないよう気をつけて、毒が抜けるまで待つしかありません。毒によって傷ついた細胞なら私が治せますので」
王妃に治癒をかけると、ゆっくりするよう国王が王妃の肩を撫でた。
「では次に第1王子ですね。レオンは大丈夫ですか?」
「………大丈夫だ」
うん、大丈夫じゃないな。顔が真っ青だ。
「レオンは寝てた方がいいな…」
レオンをベッドに寝かせると、紐にぶら下がったコインを見せる。
「コインに注目。ゆっくり、ゆっくり、あなたはだんだん眠くなる。眠くなって眠くなって…」
「すぴーすぴー」
「寝ましたわ」
「寝たな」
「魔法ではない、ただの催眠術ですが…レオンは洗脳しやすい体質かもしれません。」
「それは…不味いな…対策を考えておかなければ」
「レオンの教育係も見直しが必要かもしれませんわ」
レオンは寝ている間に検査を終わらせた。レオンには毒の反応は見られなかった。
「次は第2王子ですね。すぐに終わりますので。」
グレイルは王妃に抱っこされたまま血液検査をする。
「ふぇっ…うぅ……」
「はい。終わりです。泣かないでよく頑張りました。」
血液に液体を入れるとグレイルの毒の反応は強く、王妃よりも黒く染まっていた。
「これは…このまま知らずに放置していれば危険でした。傷ついた臓器を治癒をしますね。
あと、王妃様もですがメイドが持ってきたものは口にしないでください。」
俺は鞄から軽めの食料を出す。
「ジュード…先程から鞄から色々な物が出てくるが…なんだ?」
「生き物以外が収納できるカバンです。量はこの部屋くらいでしょうか。」
「そっそうか…凄いな。それもジュードが?」
「はい。私が開発しました。国王陛下には必要ないと思いますが…それよりも、毒や魔法を無効化する物を開発しないといけませんね。」
「うむ。よろしく頼む。」
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