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報酬
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***
「……爵位ですか?」
罪人達を処理した後、俺は応接室へと呼ばれていた。天使の柔らかい手をにぎにぎしながら、どうしようかと考える。
「息子や妻を助けてくれただけではなく、犯人の特定など協力をしてくれたからね。
爵位の一つや二つ褒美は必要だろう?」
いらねぇぇええええええ
爵位を貰えば目立つし、変な奴が寄ってくる。俺に近づこうとノアを利用する貴族も出てくるだろう。
「ふむ。いらぬという顔だな。
だが、他にあげるものが思いつかなくてな。
ノアくんにも辛い思いをさせてしまったし。」
確かに国王が言うことは間違ってはいない。功績を上げたものに褒美を与えることは普通だ。
「私は侯爵家を継ぎますし…まだ子供です。
子供が爵位を授けられたことを不服と思う貴族もいるでしょう。私には(一応)婚約者もいますし、平凡に生きていきたいです。
陛下のお気持ちはとても嬉しいのですが…」
「ふむ…それなら物にするか?
だが、ジュードの方が良い物を持っているしな…」
確かに。俺は欲しいものは自分で作ってしまう。
「……それなら、お願いがあります。」
「ふむ、聞こう」
「ノアにもしもの事があれば後ろ盾になっていただきたいです。ノアが悪い事をした時を除いて。
もし、ノアが何か危険なことに巻き込まれたり、冤罪を突きつけられた時にはノアの後ろ盾になっていただきたいのです。」
「それでよいのか?まるで未来を知っているかのようだな」
「(確実な)未来は知りませんが、もしもの時の為です。もしもが無ければいいのですが。」
「そうだな…私もこの先、何か嫌な予感がするのだ。ノアだけでなく侯爵家の後ろ盾をしよう。
それと、少しこちらからお願いがあるのだが…」
「はい」
「レオンのことを頼みたいのだ。新しく教育係を雇ったが、またあの時のようになっては困る。
この国の国王になるかもしれぬレオンに、しっかりとした常識を知って欲しいのだ。そして、優しい思いやりのある大人になって欲しい。」
「分かりました。」
契約書に交わすとノアは「う?」と俺を見た。何をしたのか分かっていないという顔だ。
「では、私達は失礼させていただきます。」
「もう少しいてもいいのだがな…
来週、また来てくれるか?」
「はい。来週、ノアと一緒に来ます。」
お別れではレオンとグレイルが顔を出した。グレイルの顔色は良くなり、軽い運動ならできるようになった。
「ジュード、ノア、また遊びに来てくれよな!」
「あい!」
「ばいばい」
「ばいばいでしゅ!」
馬車が到着するとノアを抱っこする。ノアは俺の肩に顔を置き、レオン達に手を振る。
「また、きましゅ!」
馬車に乗るとノアは疲れたのか眠ってしまった。ふにゅふにゅな頬を撫でると、軽くキスをする。
「………にた」
触りすぎて起こしてしまった。
「おやすみ」
眉間を撫でると、天使はストンと夢の世界へ行った。
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