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ダイエット
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***
「太りましたわね」
「………太ったな」
両親に言われてノアは首を傾げた。
「う?」
ノアの頬がプルンと揺れる。つるりとした肌はゆで卵のよう。
「何を言っているんですか?これが普通です。少し、体重が増えただけです」
そう言って俺はハムを切りノアの口に運ぶ。
「いやいやいや、すごく太ったわよ!
ジュードの料理は美味しすぎるのよ!」
「お前はノアに甘すぎる」
「はぁ……」
「ノアちゃんがこれ以上太ったら、ジュードが抱っこできなくなるわよ。」
「にた……」
話している内容が理解できたのか、ノアはショックで瞳をうるうるさせる。ピタリと止まったフォークを持った手は動かない。
「呼ばれて来ましたわよ!」
バン!とドアを開けて現れたのは悪役令嬢である。
「あら、エリザちゃんいらっしゃい」
「こんにちは。お義母様。お体は大丈夫ですか?」
「大丈夫よ」
それより何しに来たんだ。
「ふっふっふっ…例の物を見つけましたわ」
なに?例の物って…
「米ですわ!」
悪役令嬢が出したのは俺が探し続けていた米であった。
「こめ?」
「なんだ家畜の餌ではないか」
なに!?この世界の米は家畜の餌だったのか。
「お義父様、ジュード様となれば米で最高の料理を作ってくれます。
それに、米はパンよりカロリーが低く、ダイエットをするなら米です!」
「ジュード…作れるか?」
「はい。時間はかかりますが作れます。
夕食はカロリーが低い美味しい料理を作ります。」
「コメを持ってきてくれたのはエリザちゃんだから、夕飯食べていくわよね?」
「はい!ありがとうございます!
ジュード様…私、おにぎりと天丼と焼肉が食べたいです。」
「…1つにしてくれ」
「では、天丼で!」
米を用意したのはエリザだ。今日は悪役令嬢の要望に答えよう。
「……にた。ぼくといっちょ」
ノアは俺の手を握ると、頬をピタリとくっつけた。このふにゅふにゅな頬に俺は弱い。
「あぁ、今日も一緒だ」
きっとノアはエリザが来たことにより義兄が取られると思ったのだろう。天使の嫉妬は可愛すぎる。
膨らむ頬を撫でると、ぷしゅーっと萎んだ。
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