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1.バース検査
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「嘘だ…俺が、オメガ…?」
俺、夏目陽仁(なつめ はるひと)は中学に入って初めて受けるバース検査で、
自分がオメガだと知ってショックで気を失った。
俺がオメガだなんて誰が想像しただろうか。
オメガは世間一般的に様々なことにおいて出来が悪いのだ。
良くて中の中。
1番多いのは下の中辺りか。
俺は様々なことにおいて完璧な方で、自分でいうのもなんだけど上の中辺りだったはずだ。
自分がアルファだと決めつけていたし、
周りの人間もそうだったと思う。
俺の親だってアルファを育ててるんだと鼻高々だったくらいだ。
それなのに、俺が…オメガ。
信じられない。
目が覚めると白い天井が目に入り、横になっていた。
少し薬品の匂いがする。
ああ、保健室か。
ボーッと天井を見つめていると視界が歪んできて目尻から耳の方へ涙が流れた。
どうしよう…。
オメガなんて絶対嫌だ…。
世間から見たオメガなんて、性的欲求を我慢出来ない子を産むための道具にしか過ぎない。
外でヒート(発情期)が来てしまえば誰彼構わずアルファを誘惑するフェロモンを垂れ流し、最悪の場合は強姦されて、妊娠しまうのだ。
それも男性のオメガなど、一番扱いが酷い。
そんなものに誰がなりたいと思うのだろうか。
親からの扱いも、きっと変わってしまう。
嫌だ、もう死んでしまいたい…。
ぼろぼろと涙が溢れてきて、布団を被って声を押し殺して泣いた。
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