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バース検査
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「私も信じてなかったけど、本当にいるの。見えるかな?これ、私が運命の番に噛まれた跡」
髪を上げる先生の左薬には指輪がキラリと光って、主張していた。
俺の方を向き直した先生が幸せそうな顔でニコリと笑って指輪の光る手で俺の手を握る。
「ね、悪いことばかりじゃないのよ。ヒートは確かに大変だけれど、運命の番が与えてくれる幸せはきっとただの番同士じゃ味わえないくらいだと思うわ。だからね、悲観的にならないで死にたいなんて思わないで欲しいのよ」
夕陽に照らされる先生がすごく優しくて綺麗な顔で笑っていて、オメガに生まれても幸せなこともあると教えてくれる。
それでも、自分なオメガだという事実を受け止められなかった。
あの後、保健室から出てどうやって家に帰ったかもわからない。
両親にバース検査の結果報告書を見せると、母はショックのあまり泣き崩れて、父は何かの間違いだとどこかに電話をかけ再検査を受けさせる病院を探していた。
結局、その後再検査をしても俺はやっぱりオメガで、両親には期待されなくなった。
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