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運命の番
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「さっきの、小学生…俺の…う、んめいの…」
「ああ、やっぱりそうだったんだね」
でもこの男は、さっきの小学生の父親で、そんな人に向かって俺は何てこと言ってるんだろうか。
「あの、すみません…。俺、引越し、ます…離れます…っヒートが終わったらすぐ…っ」
自分の息子を運命の番だとか言われて、迷惑に決まっている。
ましてや、相手は小学生なのに。
「ああ…いや、その前に名前を聞いてもいいかな?」
「夏目、陽仁っていい、ます…」
体が震える。
犯罪者になって尋問されているような気分だ。
「夏目くん、君の運命の番はうちの息子…神崎煉(かんざき れん)、か…」
手帳にすらすらと何かを書いてから顎に手を当てて何かを考えている。
「ごめん、なさい…っまだバース検査だって、受けてないくらいなのに、運命の番だとか、もしかしたら俺の勘違いかもしれな…」
「いや、勘違いではないさ。運命の番に出会うと強制的にヒートが引き起こされるのは知っているだろう?それにね、煉もいい匂いがしたと言っていた。まだ精通もしていないからオメガの匂いはわからないはずだけど、運命の番だから君のフェロモンを感じ取ったんだよ」
そう、だったんだ…。
でも相手は小学生で…俺、何してるんだろう。
ボロッと涙が溢れて、来て腕で目を隠した。
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