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電話の終わり際に夜、また家に行って決まり事を作っておきたいと言われて今夜会う約束をして通話を終わりにした。
電話をかけるまでに時間をかけすぎてしまって、もう時刻は18時指す頃だ。
とりあえず何日か振りのシャワーを浴びて清潔な服を身に纏う。
まだ本調子ではないから家事をする気も起きずにソファに座り、ボーっと過ごしているとチャイムが鳴り響く。
インターフォンを受けると相手は神崎さんで部屋に上がってもらった。
仕事終わりのようで、ソファに腰掛けると持っていた白衣とバッグを床に置きパソコンを取り出した。
「夏目くんはしっかりしてるから大丈夫だろうけど、決まり事を作っておこうと思うんだ。了承してもらえるかな?」
そう言ってノートパソコンを広げるとカタカタと何かを打ち込み始める。
「もちろんです。そういうのあった方が俺も安心ですから」
とは言ったけど、厳しく作られるのだろうか。
性行為を禁止する、とかだったらどうしようか。
ヒートの時を思い出すとあの状況で耐えられるとは思えない。
「ふふ、夏目くん考えすぎだよ。性行為禁止なんて、そんな酷なことは言わないさ。ただね、禁止出来ないからこそ気をつけなきゃならない事が出来るんだ。わかるかい?」
思っていることを当てられてしまって恥ずかしくてコクンと頷くと神崎さんは優しく笑いかけてくれる。
「アルファも本能には抗えないから。君が自分の身を守らなければならない。まず、一つ目は避妊薬を毎日飲むこと。いつどこでヒートが起きるかわからないからね。煉と番関係になる前に誰かとの子供を身籠ってしまっても困るし、煉と子供が出来るにしても早すぎる。もちろん、避妊薬は私が処方するから金銭的な心配はしなくていい。いいかな?」
「はい。それはもちろん、俺も困るので…」
煉との、子供…。
自分が子供を産むなど考えたこともなかった。
誰かに抱かれる未来すら、受け入れられなかったはずなのに。
ヒートが来て本能に抗えないことが分かるともう逃れられないのだと受け入れた。
いや、受け入れたと言うよりは諦めがついたと言うべきなのかもしれないが。
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