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家族との顔合わせ
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煉が着替えると、白シャツに濃い茶色のカーディガンを羽織り、白に近いアイボリーのパンツを履いている。
悔しいけど、かっこいい…。
煉はまだ160cmで俺は165cm。
身長に差は多少あるはずなのに俺はオメガなだけあってやっぱり華奢で、煉とは肩幅の広さも骨格も全然違うから、色々ずるい…。
身長だってきっとすぐに抜かれてしまうんだろうな。
「陽仁、もう出られる?」
髪のセットまでされてしまうと俺の方が年下みたいで、並ぶとアルファとオメガの違いがよくわかる。
「うん、大丈夫」
ショルダーバッグを肩から掛けるとすぐにまた外されてしまって煉が肩から掛ける。
「俺がいる時は荷物持つから」
「そんな、女の子じゃないし…そのくらい自分で…」
煉が肩から掛けているショルダーバッグの肩ベルトを掴んでそう言うと先に靴を履いていた煉に手を引っ張られてしまい、バランスが崩れて煉の腕に倒れ込んでしまって抱きしめられてしまった。
「いつか、ここに俺の子供育ててもらう日が来るから。だから、今から陽仁の体大事にしたい。はい、わかったら返事」
俺の腹を撫でてそう言われ、何だか大切にしてもらえていることが嬉しくて、涙が出てしまいそうで。
鼻の奥がツンと痛くなって、震える小さい声ではい、と返事をする。
「ほら、靴履いて。いこ」
頭をポンポン、と叩いて耳まで赤くなった煉が玄関から先に出て行くのを追いかけて外に出ていけば俺の手を取って繋いでくれる。
こんなにいい人が俺の番になってくれるのだと幸せな気分を噛み締めた。
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