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βΩのおはなし
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ある所に、とある子供がいた
特に自慢出来ることも出来ないことも無く、平凡な子供だった
好きな人はいなかったが、とあるきっかけで出来ることになった
「いてっ……あ、ケガできちゃった…」
「き、きみ!だいじょーぶ…?」
「…?君誰?」
「ぼ、僕はここの近くに住んでる太田優斗!転んでるとこを見てはしってきたの」
「そっか…あ、僕は原田悠、あのお家に住んでるの」
「そーなんだー!あ、じゃなくて!ケガ!大丈夫?」
「うん、水で洗って絆創膏貼れば数日後には治ってるよ」
「よかった……ねぇねぇ、僕達友達にならない?」
「え…僕と友達になってもいい事ないよ、僕つまらないし」
「それでもいいよ!いつ怪我するかわかんないもんね!僕が見てないと!」
「う、うん…」
何気ない一言だったが、当時の僕には嬉しく思えた
数年後、僕は中学生になった。彼とは仲のいい友達という事で通しているが実は片思いをしている。
「えー、今日体育あんじゃん、夏の体育とか損でしかねーだろーー」
「ねー、まだー?授業遅れちゃうよ?」
「まってよ悠ちゃん、俺まだ上しか着替えてないんだぞ?」
「だから早くー!」
なんていう何気ない会話をしていた
なんとなく一緒に行動して、なんとなく時間を過ごしていく。でも、片思いだけはなんとなくでは済まなかった。
── 放課後
「あーー今日もつかれたーーー」
「そーだねぇ
…ねぇ、悠ちゃん、」
「ん?」
「…俺さ、好きな人いるんだ」
「…え…?あ、そっ、そうなんだ…」
「その子αの子なんだよね、ほら、俺Ωだからさ。」
「…そうなんだ。付き合えるといいね」
「ありがとーーー、やっぱ持つべきは友だな〜」
「うん…はは……
…ねぇ、優斗、」
「ん?」
「もし僕が…優斗の事好きって言ったら…どうする?」
「…え?wいやいや、冗談はよくないぞー?w」
「…僕、本気だよ。」
「……そっ「ごめん。やっぱなんも聞かなかったことにして。」
「え、あっ、ちょっ悠、どこ行くの」
「帰る」
「は、ねぇ悠どうしたの。ねぇ、俺さっきのは気にしてないから」
「……ねぇ、手離して。言いたい事はもう言ったから。それに、もう「気にしてない」んでしょ、なら尚更引き止める理由なんてないでしょ」
それ以来僕は彼を避け続けた。最低限の会話はするが端的に話す。そんな日々が続き、卒業までそんな日々が続いた。卒業式に校門前で僕を待っていた彼が居たが、僕は無視した
高校も彼とは違う所に通った。そしてあっという間に高校を卒業し、僕は新人サラリーマンとしてあの時のようなつまらない日々を過ごしていた。
重い足取りで、やっとの思いで着いた玄関の前で立ち止まる。そしてため息を吐きながらドアを開け「ただいま」と、一言
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