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こいつと兄弟なんて
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「お兄ちゃん待ってよー!」
「おせぇぞ〜」
……
下校中、ある兄弟が俺とすれ違う。
ふと兄弟ってどんなもんかって想像した
兄ちゃんがいつでも助けてくれて、弟は兄ちゃんに憧れるかんじかな……あー兄弟いいなー欲しい
でも現実はそんな理想的な兄弟じゃなかった。
父ちゃんが去年あたりに離婚した元夫は同級生と再婚して同じ学年で保育園、小中と同じの幼なじみ獅戸泰陽って奴が俺と兄弟になった。まー!こいつがムカつくやつなんだ!
「泰陽、おはよ」
「……」
無視も普通にするし
「ねぇ」
「ん?なんだ?」
「おつかい、母さんが行けって言ってました」
「おうよ!それじゃあ一緒に」
「行かないです。君だけ行ってくればいいでしょ?」
話しかけられたと思ったら感じ悪いし
「泰陽、テスト何点だった?」
「…君には関係の無いことでしょ?」
「えー隠すなよ〜!」
え?……普通に頭いいし!!!学年3位て!
「泰陽いつも本読んでるよな、それ面白いか?」
「……」
「おーい」
「君みたいな脳筋とは違うので」
口悪いしマウントとってくるし!!!
はァァァああああああああぁぁぁ!うっぜぇ!!
一緒に生活すると嫌なところばかり見えて、うまくやっていけるきがしない。
ついでに言うと誕生日は俺の方が早かったらしく泰陽はそれが気に食わないのか俺の事を「愚兄」と言う。最初グケイの意味は分からなくてググってみたらバカにされていたらしい。とにかく俺は泰陽に舐められてる。
「月希、悪いけど泰陽起こしてきて〜」
「あ、はい!」
部活の朝練もあり元々朝飯も作ってた俺は朝が強く、既に起きていた。真宵さんにあいつを起こしてくるように頼まれた。階段をのぼりあいつの部屋に入った。
片付いていて、塵一つない。少し入りずらさはあるが起こすために止むを得ない。
「おい、起きろー」
「……」
寝てる時は静かなのに…こいつ一生寝てたらいいのに
そんなことを思いながらなかなか起きない泰陽を揺さぶる
「…………なにぃ」
「朝、起きろ。お前も部活遅れる」
「……何勝手に入ってきてるんですか?」
「は?」
俺の中で喧嘩のゴングがなった。
「お前が起きねぇから起こしに来たんだろうが」
「あと5分で起きる予定でした」
「いつも起きてこねぇだろうが」
「アラームをセットしてあります」
「それが効かねぇって事!」
「いい加減静かに喋ってくれません?朝から耳が痛いんですけど」
「誰のせいでッ」
「勝手にキレてんのは君でしょ」
「うっ……」
呆れ顔で言う泰陽。眉間あたりがぴくぴくする。
まじでドカンする3秒前、3、2…
「泰陽!月希!遅い!」
下から真宵さんが声を張る。
「……」
「……」
「早く降りてこいよ」
「君こそ早く支度したら?」
お前のが遅いだろうが!!んちくしょう
言いたいことを飲んで、俺は泰陽の部屋を出た。
俺は兄ちゃん俺は兄ちゃん俺は兄ちゃん……
でも……あんな弟願い下げだ!
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