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8.(豊森side)
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必死に探した
普段の少しやる気のない自分じゃありえないくらい必死に走って色んな教室を覗き回って
それでも見つからなくて必死になった
あいつ自身暴行から逃げようとする気持ちが見られないからマスターキー渡しても使わないんだろう
そう思い、放送で呼び出ししてもあいつは来なかった
どれだけ待っても寮の部屋を覗いても
どこにも陽佳院の姿が見えなかった
渡したはずの緊急用ケータイのGPSを調べても寮の部屋
「柊生……お前も奥のシャワー室行ってこいよ」
「おう、借りるわ」
「その間、問題児ちゃんみててやっからさっさと行け」
「へいへい行きますよ」
あいつがもし……あの時コツンとドアを叩かなかったらずっと見つけられなかった
俺がもし……あの時少しあそこで留まってなかったらドアを叩く音に気づけなかった
扉開けて見たあいつの顔は忘れられない
どうして?信じてもいいの?苦しいんだって……
シャワーを浴びながら頭を搔く
悪い落ち方なんだろなと気づく、もう俺の心もあいつに奪われた
何がなんでも守りたい対象にかわった
頭を撫でられるのが好きなのか無意識にも俺の手に擦り寄るあいつを俺は愛しく感じてしまった
「シャワーありがとな」
「どーいたしまして」
「……なぁ?バカに効く薬あるか?」
「何言ってんのお前……無いわ」
「そうか……ないか」
「え何……ほんとにどしたわけ?」
「いや…あんなに好んでなかったあいつの事守りたくなったから」
「あー……はは……俺は……おすすめしないからな」
「自分でもわかってる。やべぇなって」
「せいぜい、生徒会メンバーみたくならんように気をつけて……はい、湿布。年寄りだからあんなに走り回って筋肉痛になるでしょ」
「一言お世話だ、……まぁ、ならねぇように気をつける」
「そーして」
絢吾は仮眠室に行き、俺は陽佳院の隣のベットに腰掛ける
熱が高いせいかゼェゼェ息をする陽佳院
もう一度頭を撫でしっかりとブランケットを掛けてやり俺も疲労感に身を任せ目を閉じる
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